2011年6月1日水曜日

武田邦彦 (中部大学): 科学者の日記110601 本当はテレビは危険を知らせるのだが

「テレビを普及すると乳幼児死亡率が減る」という統計があります。

「テレビが普及する」というのは、国民の所得も増え、社会も近代化されているので、正確に言うと「テレビが普及するような発展した社会」では「子供が安全になる傾向がある」といった方が正確でしょう.

もう一つは、台風が来たり、食中毒情報などをいち早くテレビが知らせてくれるので、家庭やお母さんはテレビを見て危険を知り、子供を守ることができるとも言われています。

ところが今回の福島原発事故では、NHKは、

1)   

原発が爆発した映像を積極的には報道しなかった(爆発の映像はネットでしか見られなかった)、

2)   

大量に放射性物質が漏れている時に逃げなければならないことを言わなかった(NHKの記者は3月12日に福島から逃げた)、

3)   

「直ちに健康に影響が無い」という間違った政府の発表をそのまま放送した、

4)   

日本の法律で1年1ミリシーベルトと決まっている被曝限度を一切、放送しなかった、

5)   

放射性物質が含まれている野菜を拒否すると「風評被害」と言って非難した、

6)   

「被曝は足し算」であることを知っていて、「暫定基準以下」のものを「安全」と報道した、

など、「NHKを見ると寿命が縮む」ということに終始しました。

特に、政府はNHKの言う「風評被害」は本当に悪質です.

「風評被害」というのは、ありもしないのに噂を立てて被害を及ぼすことを指す日本語です。

1年1ミリシーベルトを越える被曝を受けている子供に、さらに「暫定基準以下だから、健康に影響がない」という無茶な理屈をこねて、「風評」という言葉を使いました。

この言葉は本当に質が悪く、「正直で、決して風評などに左右されない善良な国民」を「風評を煽る人たち」と非難したことです.悪質で子供の健康を脅かす使い方です.

日本は法治国家であり、誠実な国民だからこそ、安全な生活を送れるのです。それを、「1年1ミリシーベルトの限度」という法律を守り、「被曝は少ない方が良い」という人を非難するという前代希な放送を続けたのです.

一人でも被害者がでなければ良いのですが、もし可哀想な子供がでたら一体、NHKはどうするのでしょうか?

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Posted via email from realtime24's posterous

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