2009年11月27日金曜日

技術は収益性を下げる?:アメリカ経済ニュースBlog

生産性と賃金の関係

Source: Firedoglake

上の表は、生産性(赤)と賃金(青)の関係を表した表です.

表からは80年代から生産性が上昇しているにもかかわらず、
賃金は横ばいが続いています.

技術の発展→設備投資→生産の効率化→利益率を高める

これが普通だと思っていました.

しかし、大手会計事務所Deloitteのレポートによると、
企業の総資産利益率(ROA: Return on Assets)は、
1965年から7割以上も減少したという驚きのレポートがありました.

テクノロジー企業のROA推移 (1965-2008) 
111209 ROA推移.gif
Source via: Business Unbound

ROAとは

ROAとは、総資産に対する利益の割合で
経営者が資産を有効活用しているかを表します.

総資産利益率 ROA = 利益 ÷ 総資産

この数字ななぜ重要かというと、資産(資本や借金)
を増やせば、利益を増やすことができるからです.

損益(Profit Loss)ばかりみていて、
右肩あがりに利益が上がっていても、
借金を増やして財務体質を悪くしている
可能性もあるからです.

その辺、ROAはごまかしが聞きません.
資産を増やしたのであれば、その同じ割合で
利益を増やさなければなりません.

例 流三郎商事
総資産: 1000万円
利益: 100万円
ROA: 10%

設備投資のため500万円を新規借入した場合
総資産は1500万になります.

ROA 10%を期待すると期待利益は150万円となり
流三郎商事の経営者は、50%の増益を達成する様、
経営する必要があります.

この表をみる限り、テクノロジー関連企業のROAは
下がっており、経営者は資産を有効活用していない
ことがわかります.

生産性は上がる一方、賃金はあがらず、収益性は下がる.

技術革新(イノベーション)とか言うけど、実際にはITや
ハイテクは収益性を上げていないということでしょうか?

アメリカの全産業をあわせると、1965年からROAは75%も減少.

テクノロジー、小売、通信産業など9産業中7産業が
ROAを下げたそうです.

ちなみに、9産業中、唯一ROAが上がった2産業はというと?

航空宇宙・防衛(Aerospace & Defense)
医療(Healthcare)

だそうです.

やっぱりアメリカは戦争によって成り立ち、
高騰する医療費で、国民を苦しめているということ?

Source: Deloitte 

Posted via web from realtime24's posterous

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