2009年9月29日火曜日

【国際通貨物語(その4)】 ドルが基軸通貨となった日|世田谷徒然日記

ポンドからドルに、基軸通貨が移動した日には明確な日付がある。


それは1944年7月8日である。


その日はブレトンウッズ会議が始まって1週間経ったばかりのとある1日で、その日に、IMF協定草案「第4条第1項」に、金との兌換性を「ドルだけに」保証することにする改正条件「修正4条1項」が加えられた。


この「ドルだけに」の表現が重要な意味を持つ。そして、このフレーズがその後の世界の国際通貨体制の帰趨を決定した。



基軸通貨ドルが形成されていったのは、IMF協定が明記した統一的な固定相場制を維持するために各国が金平価ではなくドル平価を選択し、ドルを介入通貨・準備通貨として使用したからである。


つまり固定相場制こそがドルが地域通貨からグローバルな国際通貨へと発展する最も重要なルートであった。


そして、この瞬間に基軸通貨はポンドからドルにその主権の座が移った。


基軸通貨ドルの形成は民間レベルでの国際取引から上向していったのではなく、ドル平価維持のため通貨当局が介入するといった公的レベルから下向して民間レベルでの国際取引へ波及していったのである。


その意味において、IMF協定は第二次大戦後のアメリカによる金独占と英米間の力関係の逆転の下で、ポンドからドルへの基軸通貨の交替を制度的に先取りするものであったと言える。

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