2009年8月22日土曜日

あれとそれ - よく戦後の特攻隊に関する語りの中で、出撃の前に覚醒剤を打って死への恐怖感を和らげて出撃させたんだという...

よく戦後の特攻隊に関する語りの中で、出撃の前に覚醒剤を打って死への恐怖感を和らげて出撃させたんだという語り・証言がたくさんあるんですけれども、これは正確ではないようです。覚醒剤を使っていたのは事実のようです。日本のパイロットは非常に酷使されていて、アメリカ軍のパイロットの場合、ドイツへの爆撃に例えば十回出撃すれば、その任務から開放されて後方に下がれる、そういうことがあるわけですけれど、日本の場合は死ぬまで闘わされる場合が多いので、非常に疲労している。ですから戦争神経症も多いようですけれど、その疲労対策で覚醒剤を打っています。また、海軍の軍医の雑誌を見ていたら、見張りの水兵が、夜間、双眼鏡で敵の船を監視する。レーダーが発達していないので、原始的なやり方ですが、夜間の視力を増強するために覚醒剤を打っているんですね。これが効くのかどうかわからないんですが、兵隊の回想にもそういうのがあって、僕が読んだ回想では、夜間戦闘機のパイロットが、戦後ずうっと原因不明の病気に悩まされて、一向に原因がわからない。最後にわかったのは、覚醒剤中毒になっていた。なぜなってしまったかというと、夜間戦闘機として出撃する場合に、夜、目が見えるようになるという理由で、毎回何か薬を打たれていたということがわかって、それが覚醒剤だったんですね。そういう形で、疲労回復とか夜間の視力の増強ということで覚醒剤を大量に使っていて、それが戦後一斉にばあっと民間に流れてくるわけですね。そういう問題があります。no title(人骨発見18周年集会記念講演「医学史から見た戦争と軍隊」吉田裕)より

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