2007年にニューヨーク・タイムズの記者ティム・ワイナーが「Legacy of Ashes. The History of the CIA」という本を出版した。「Legacy」とは遺産のこと。「Legacy of Ashes」で「灰の遺産」と言うことになる。「The History of the CIA」という副題から推察すると、CIAから次世代のアメリカが(現代のアメリカのことである)受け継ぐのは戦後のヨーロッパのように「灰だけだ」と言 うことになる。
ずいぶん、厳しい言葉だが、この本を読んでみると、この題名に納得がいく。
私たちは、CIAというと、大変に優れた諜報機関で、全世界にスパイ網を持ち、世界中の情報を収集し、と同時にアメリカにとって邪魔な国を倒すための陰謀を巧みに企んできた恐ろしくもあり強力な存在だと思ってきた。
ところが、この 「Legacy of Ashes」では、如何にCIAが無能で、情報機関としても陰謀機関としても、大きな失敗ばかり重ねてきたか暴いているのだ。
例えば、
1. 自発的にCIAのスパイになってくれたソ連での人々を、CIAがわのソ連のスパイが密告して全員殺された。
2. レーガン大統領の時に、イランに武器を売り付け其の代金を中東で使うというイラン・コントラ事件が起こって、CIAも、中東での関係もめちゃくちゃにして しまった。
3. 恐ろしく情報能力が低下して、ソ連の軍事能力を過信し、アフガニスタンに武器を大量に提供してソ連のアフガン侵攻を阻止しソ連を崩壊させる一助となったの はいいが、其の大量の武器が今アメリカを困らせている。
4. 大統領がCIAを信じないし、CIAも大統領を喜ばせることしか伝えない。CIAは大統領に嘘をつくのである。
5. イラク戦争の時も、CIAは大量破壊兵器があると強調して戦争を始めたが、結局、全て偽の情報でイラクに大量破壊兵器はなかった。
6. CIAの組織力はくずれ、世界中にいるCIAの人間は、ニューヨークのFBIの職員の数より少ない。
7. 2004年にブッシュ大統領は、CIAのしていることは「just guessing」だといった。
「guess」とは推量とか、あて推量で言い当てる、と言う意味だ。要するに、CIAは「事実に基づいた判断ではなく、勝手に思いこみで言っているんだろう」、とブッシュは言ったのだ。
これは、「Political death sentence(政治的死刑宣告)」だとワイナーは書いている。
こんなことを今までに言った大統領はいない。1. 2005年に中央情報長官の職が廃止されたことでCIAがアメリカの政治の中心で果たしてきて役割は終わった。
2. アメリカは、情報機関を立て直さなければならないが、遺産として目の前にあるは「Ashes」である。
というのが、ワイナーのこの本に書いてあることだ。
実に恐ろしいくらい、愚かな失敗をCIAは繰返している。CIAと言えば泣く子も黙る恐ろしい存在だと思い込んでいた私など、それじゃ、幽霊と思ってススキにおびえていたのか、と愕然となった。
今まで、CIAとソ連の諜報機関との戦いを描いていたハリウッド製のスパイ映画は何だったのと言うことにもなる。
なお、ワイナーによれば、ここに書いたものは、CIA、ホワイト・ハウス、連邦政府の55000以上の文書、 2000以上の、アメリカ情報機 関担当員、兵士たち、外交官たち、のオーラル・ヒストリー(自分の歴史的体験を口述したもの)、そして、1987年以来行われた、300以上の、 CIAの職員、退役職員、(その中には10人の元長官も含まれている)に対して行われたインタビューを元にしている。この文書は、全て実名の情報に基いている。出所を明らかにしない引用、匿名の情報、噂話の類は一切用いていない。
この本はCIAの真実の全てを書いたものとは言えないかも知れないが、ここに書かれたことは全て真実である、とワイナーは述べている。さて、改めて言うが、この本を読んで、私はCIAがこれ程までに無能な機関であり、ここまで数々失敗を重ねてきたひどい政府機関であることを 知って驚いた。
そして、一番驚いたのは、この駄目機関であるCIAがただ一つ成功した例があることである。
それは、ああ、なんと、この日本という国の支配なのである。
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確かに、我々はこれまでCIAと言えば、冷徹無比な恐るべき切れ者たちの集団だと思わされてきた。そして、日本の特権階級たちも恐れおののいている。ところが、何のことはない。日本の旧軍部や官僚と同じ、事実を直視できない、自分たちに都合のよい思い込みで動いている無能集団であるということだ。
さらに、『わたしはCIA諜報員だった』(集英社文庫 リンジー・モラン/高山祥子) によると、
子供の頃からスパイに憧れていた少女が、難関を突破して念願のCIAに入局―だがそこで彼女を待ち受けていたのは驚き呆れる現実の連続だった。世界最高の情報機関の実態は、機密情報の捏造、予算の浪費ばかりが横行する信じられない無能集団だったのだ。奇妙な入局試験、苛酷な訓練、東欧でのスパイ活動、9・11を経て退局を決意するまでの5年間を自らの体験そのままに赤裸々に公開する。どうやら、CIAが無能なダメ集団であるというのは本当らしい。
確かに、9・11の自作自演などは、誰が見てもバレる話であって、いくら追い詰められているからと言って、あんなミエミエな事件を実行に移せるのは、彼らがそんなことをしたらどうなるのか、後先が全く読めない馬鹿だからだと考えた方がスッキリする。
よく考えてみれば、これは当たり前のことだ。CIAだって試験エリートにすぎないのであって、刻々と移り変わる状況を白紙から捉え直して、どうするかを考えることなどできるはずがないのだ。そういう意味で、日本の官僚と何ら変わりがないのは当たり前である。(日本の官僚と違うのは、CIAが脅迫という武器を持っていることである)
そんな無能集団である戦争屋-CIAの言いなりに、何故日本だけがなってしまったのか?
日本の官僚たちが(輪をかけて)無能だからだ。
『雁屋哲の美味しんぼ日記』2010年7月11日「鳩山由紀夫氏から菅直人氏へ(2)」から続けて引用する。
これで、日本がアメリカに隷属し続けた原因が分かるだろう。自民党議員も政府官僚はみんなアメリカから金を貰って弱みを握られているからアメリカに反することは出来ない。
自民党の二世・三世議員も同じことだ。祖父と父が従ってきたボスにどうして息子が反抗出来るか。
だから民主党政権になって、辺野古問題でアメリカの意志に反することを言い出したら、日本の官僚組織が一団となって、小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏 を引きずり下ろすために全力を傾けたのだ。誰なのか正体の知れない「市民団体」に訴えさせて、一旦不起訴と決まった小沢一郎氏を検察審議会に、「起訴相当」の判決を出させたりもした。
どうして、あんな事をさせるのか。
考えてみれば、日本の官僚は上下関係でがんじがらめになっている。自分たちの先輩の決めたことを、自分が覆したら、官僚世界から追放される。官僚は官僚の世界から追放されたら生きて行けない。東大法学部を卒業した人間はその肩書きしか人間としての力はない。その肩書きが通用するのは 官僚に関係する社会だけであって、実社会に放り出されたら、全く無能力である。だから、日本では改革などと言葉で言っても、絶対に改革が実行されない。
それと同じで、現在の官僚は、米軍の沖縄基地の自由使用、と言う過去の先輩たちの決めた慣例をひっくり返したらえらいことになると怯えたのだろう。で、人間としての価値もない無能な官僚全体がよってたかって民主党攻撃に回っているという訳だ。
戦争屋-CIA→日本の官僚による支配とは、実は無能な人間たちによって支配されてきたと言い換えることもできる。
何故、そんなことが可能だったのか?
これまで、我々は、CIAにしても日本の官僚にしても、エリート=超優秀と思い込まされてきたからだ。
2010年06月30日「騙しの破綻→特権階級は追い詰められている」で、近代社会全体が大掛かりな騙しで出来上がっていることが明らかにされたが、その騙しの一つが、「官僚やCIAは超優秀」という嘘なのではないだろうか。そして、これは官僚やCIAといった統合階級(特権階級)支配を正当化するための騙しであって、支配の中核を成す騙しである。
逆に言うと、支配の中核を成す「官僚やCIAは優秀」が嘘であって、実は無能の極みであるという認識が広がりつつあるということは、彼ら特権階級支配が崩壊するのは近いことを暗示しているのではないか。
実際、CIAでは嘘の報告や機密情報の捏造が横行しているという。言い訳・ゴマカシ・隠蔽によってCIAも指揮系統が崩壊しつつあることが伺える。「隠蔽・言い訳・誤魔化しの横行によって崩壊する私権体制」という時代の潮流からは、CIAも逃れることはできないのだ。
2010年7月16日金曜日
日本を守るのに右も左もない | CIAは実は無能なダメ機関⇒支配の中核を成す騙し「エリートは超優秀」の崩壊
ソロモンのいる森 夢を叶えるイチローの作文テンプレート!
「僕の夢」僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。
そのためには、中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。
活躍できるようになるためには、練習が必要です。
僕は、3才の時から練習を始めています。
3才から7才までは半年くらいやっていましたが、
3年生の時から今までは、365日中、360日は激しい練習をやっています。
だから、1週間中で友達と遊べる時間は、5〜6時間です。
そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。
そして、中学、高校と活躍して、高校を卒業してからプロに入団するつもりです。
そしてその球団は、中日ドラゴンズか、西部ライオンズです。
ドラフト入団で、契約金は1億円以上が目標です。
僕が自身のあるのは、投手か打撃です。
去年の夏、僕たちは全国大会に行きました。
そしてほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会NO.1投手と確信でき、
打撃では、県大会4試合のうち、ホームラン3本を打ちました。
そして、全体を通した打率は5割8分3厘でした。
このように、自分でも納得のいく成績でした。
そして僕たちは1年間、負け知らずで野球ができました。
だから、この調子でこれからもがんばります。
そして、僕が一流の選手になって試合に出られるようになったら、
お世話になった人に招待券を配って、応援してもらうのも夢の一つです。
とにかく一番大きな夢はプロ野球の選手になることです。
愛知県西春日井郡 とよなり小学校
6年2組 鈴木 一郎
なぜ日本人にあいさつは必要なのか - pikarrrのブログ
日本語の多くの文で主語としての「私」が要らないのは、「私」を音にする必要がないから、ということがここまででわかった。・・・月が出ている夜空を見ている二人がいて、そのうちの一人が言うとすれば「月が見える」である。「私は月が見える」は不自然である。これは、夜空を見ているという状況を二人が共有しているので、わざわざ「私は月が見える」と言わないのである。
日本語では、共同注視という認知状態から発話という言語状態に連続的に移れるので、わざわざ「私」という必要がないと言える。これに対して、英語では、共同注視という認知状態から、発話という言語状態に連続的に移れないので、わざわざ"I"と言わなければならないのである。
日本人は、認知的主体と言語的主体の連続性が大きく、認知的な部分と言語的な部分がなめらかに統合されている。これを言い換えれば、日本人の心は状況や環境に埋め込まれて度合いが大きいので、言葉で補う度合いが少なくてすむ、とも言える。
これに対して、イギリス人は認知的主体と言語的主体の連続性が小さく、認知的な部分と言語的な部分があまりなめらかに統合されていない。言い換えれば、イギリス人の心は状況や環境に埋め込まれている度合いが小さいので、言葉で補う度合いが大きくなるともいえる。P201-204
「日本人の脳に主語はいらない」 月本洋
一心同体をつくる「何もしない」をする時間 : earth in us.
シンプルな心をつくるために。
「何もしない」をする。
これは、外の刺激や内面のノイズにけして惑わされない「シンプルな心」を作ることに役立ちます。
せせこましく落ち着かない心、何でも同時に進めたいという横着さ。
これらは、忙しい時代に生まれた私たちのかかえる悪い癖です。払拭するために、「何もしない」をする練習をしましょう。
スケジュール表を開いてみてください。
まずは、何もしないをする時間をつくりましょう。「何もしない」時(とき)になったら、誰もいない場所に行き、耳栓をして、目をつむりましょう。
「何もしない」をするのです。
寝てはいけません。ボーッとしてもいけません。
「何もしない」のです。
止まってはいけない恐怖
何もしていないと、私たちは怖くなることがあります。
こうして、私たちが暇な時間を恐れたり、忙しくしたがるのには理由があります。何もせずに「待つ」時間はイライラを募らせるのです。それは何かを達成したり、意味のあることをしなければいけないという価値観があるからです。
しかし、思い返してみてください。
暇を埋めたり急いで物事をすすめる事と、何かを達成することとは関係がありません。それはただ、「止まってはいけない恐怖」に対処しているだけなのです。
生産的になりたいのなら、時に足をとめて休息を取り、認識をリセットして全体像を眺め直した上での取捨選択が必要です。
「何もしないをする」。
これはすなわち、認識のリセットを促し、取捨選択を明晰な状態で行える状態をつくりあげるためのポジティブな行為なのです。
「何もしなくてもOKだ」
まずは「何もしなくても、OKだ」
この考え方を受け入れましょう。もし、心の速度を下げて ゆっくりと物事を受け止めていければ、あなたはもっと「丁寧に」取りくむことができるようになります。
高速道路を降りた車のように、視野は広がり、見えなかったものに気がつくようになるのです。
いままで気がつかなかった自分の心の内面、そこにも穏やかな気配りが行き届くようになります。ネガティブな堂々巡りを断ち切ることも、たやすくなることでしょう。
1分や2分でいい。
はじめは1分や2分でも構いません。徐々に時間を長くしていきましょう。
あなたが、何もしないをする時間が増えるにしたがって、心や体との調和―「一心同体」が実現されていきます。「何もしない」をしていると、様々な感情、思い出、出来事が次々に頭の中に浮かんできます。それでも、「何もしない」のです。
「何もしない」時間が終わると、とても気持ちがよくなります。
まるで、掃き清められた神聖な寺院にいったかのような、そんな気分になります。心をシンプルにする目的のない時間。
たまにはあなたも頭を止めて、「何もしない」をする時間を作ってみてはいかがでしょうか。そこには「空」があるのです。
小さな幸せを記録するデバイス
昔、とはいってもそんなに前のことではない頃、
私の娘は小さすぎて学校まで歩けなかった
だから私たちは市バスを使っていた毎朝、私は歩道をバス停まで彼女を手を引いて歩き、
毎朝、私はじれったい思いで3番街を眺めていた
その間、彼女は薬局の窓の向こうの宝物に心を奪われていた私は別にバスに乗るのが嫌いというわけではなかったけれども、
休みの日はご褒美のように感じていた私は安堵とともに、「ああ、今日はバスの送り迎えがない」と
思ったものだった。そしてある朝。
「みてお母さん!みて!犬だよ!」
どうってことのない普通の散歩中の犬を指差して彼女が歓声を上げた。その瞬間、私の目が開いた。
これこそが親であることなのだ。
これこそが我が子の大切な子供時代、
これこそが人生そのものなんだと。いつかー、そう遠くない未来、私たちは一緒にバスに乗ることはなくなる。
そして私はそんな大切な時間を愚痴っぽく浪費しているのだった。それからというもの、毎朝、私はこう考えるようになった。
「ありがとう、今日もバスに乗れる」私の小さな子はもう大きくなって、私たちは学校までの
10ブロックを歩くようになった。彼女はまだ私の手を
つないでいるけれども、それだって、そのうち終わること
を私は知っている。「バスに乗って学校に行っていた頃を覚えている?」
私は時折聞いてみる。「覚えているわ」彼女はそう答える。
「バス乗るの、好きだった」
「私もよ」私はそう答えるのでした。一日一日は長い、でも年月は短い
2010年7月14日水曜日
森喜朗元首相が小沢一郎前幹事長に和解を持ちかけ、小沢政権樹立に向けての動きが活発化 - 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
最新の取材結果を紹介しておこう。
まず、自民党の森喜朗元首相が、小沢前幹事長に「昔からの仲間だから仲良くやろうや」と和解を持ちかけてきたという。小沢前幹事長は、参院選挙最終盤、北陸地方にいた。ところが、投票日に雲隠れしていたが、夜遅く東京に帰ってきた。石川県は、森元首相のお膝元である。
◆小沢前幹事長は、選挙結果を見て、菅首相、仙谷由人官房長官、前原誠司国土交通相、枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政策調査会長(公務員制度改革担当相)ら「反小沢グループ」を見限り上機嫌、いよいよ水面下で次の一手を打ち始めている。民主党内で小沢前幹事長と行動を共にすることが確実な国会議員は、衆参合わせて180人といい、この180人が民主党を離党したら、菅政権はその瞬間に瓦解する。小沢前幹事長が180人を引き連れて、自民党に合流する。小沢前幹事長にとっては、もはや「大連立」という政党同士の利害を超えて、元の鞘に納まることになり、単純明快な復党である。自民党側は、何が何でも権力の座に返り咲きたいので、大歓迎し、小沢前幹事長を新総裁に選び、国会で新首相に指名する、という筋書きという。「政権を安定させて、国民生活を裕にする」という大義名分により大同団結するのである。
◆渡辺喜美代表の「みんなの党」は、森元首相の別働隊と言われており、自民党に復党する。もちろん、「国民新党」「たちあがれ日本」も揃って自民党に帰る。「たちあがれ日本」の与謝野馨元財務相は、再び財務相に就任する。「新党改革」の舛添要一代表も、この企てに参加させて欲しいと小沢前幹事長に申し込んできているという情報もある。
2010年7月13日火曜日
財務官僚は日本経済が元気になることを何よりも恐れている。(瓶詰伝言) インビクタス
財務官僚は日本経済が元気になることを何よりも恐れている。財務官僚の狙い通り、消費税増税という言葉だけが国民の意識下に刷り込まれた今回の選挙
期日前投票を済ませたので、選挙までの各党の言い分など、もうどうでも良いや、という気分なのだが、それにしても、この選挙の争点は何なのだろう。沖縄の基地はもういらない。雇用や景気、医療や年金などの社会保障。とにかく食えない、将来にも不安が一杯。何とかしてくれというのが今も昨年の衆議院選挙でも焦眉の急なのだと思うのだが。サラリーマンもお年寄りも企業家も困窮者も、大部分の国民はこの困難に政治はどう応えてくれるのかということが関心の焦点ではないのだろうか。
そしてその視点を徹底的にはぐらかしているのが今回の選挙ではないのか。反面、消費税増税という言葉だけが国民の意識下に刷り込まれた。
生活困難という問題の解決のためにこうします、という議論は、昨年の衆議院選挙ではまだあったような気がするのだが。
何をするにもお金がかかる。財源は捻出できなかった。けれどまだこれだけ絞ります。だけどこれだけ足りないのです。だからそれをやるためには増税が不可欠なんです、というのならまだしも。そんな論理はすっ飛ばして、今まで聞かされている話は
なぜ、消費税増税が必要か?
ギリシャよりもひどい借金大国だから。(はあ?)
低所得者へはどうするの?
全額還付します。(うへー・・できるのかよ?ほんとに?)
そうすると税金が足りなくなるのでは?
所得税などの累進課税強化もなかなかよろしいかと存じますが。
こんな泥縄式の議論。財政赤字が大変だから消費税増税です。経済を強くするために法人税減税です。欧米を見てください。消費税はもっと高いし、法人税はもっと安いでしょ。だから真似っこしてれば間違いないんです。それが第三の道なんです。
日本の特異性、優位性を無視した、ごく上っ面の矮小化された議論。しかも野党もその土俵にまんまと乗っているような。
ちまちまちまちま金の話、しかも国民の懐具合ではなく、国の財布の話。
夢が無いよな。
なんでこんな話に収斂するのかとつらつら考えていると、財務官僚は日本の経済が元気になっては困ること、絶対に元気にしてはいけないことに気がついた。やっぱり財務官僚が後ろで糸を引いているんだなと思う。そう考えると辻褄が合うことが多すぎる。日本の特異性、優位性を考えると益々以下の推論があたっていると思うのだがどうだろうか。
1.世界経済の動きからEU、アメリカを見る。・EU
サブプライムローン問題、リーマンショックで危機に陥ったヘッジファンドは欧米各国からの公金注入により息を吹き返した。最悪の金融博徒の復活である。
EUで起こったギリシャ危機、さらにスペイン、ポルトガルに飛び火しそうな金融危機の元凶は、この悪質な金融博徒だ。
EU諸国の国債は市場で取引される。(日本では全く違う。日本の国債の取引については後述する。)
金融博徒はギリシャの財政危機の隠蔽が表面化するタイミングを計り、ギリシャ国債への空売りをかけておく。CDSという、債権債務に何の関りも無い第三者が、債務者が破綻することに賭金を払い、破綻のリスクが高まればCDSの値が上がって大儲けという、まさに博打としか言いようの無い金融商品。このCDSを買い込み、値を上げる。ユーロにも空売りをかけておく。財政危機が表面化すれば空売りをかけた国債の暴落で大儲け、デフォルトの危機を煽ればCDSの値が上がって大儲け、ユーロの暴落でも大儲けという按配である。それで、IMF、ドイツ、フランスがさらに公金をギリシャにつぎ込めば今度はそのつぎ込んだ国の財政悪化を標的にすればよい。ギリシャの国民が苦渋を舐めようがEU諸国の国民が苦しもうが知ったことではない。債務不履行の悪夢を煽れば煽るほど金融博徒は大儲けだ。
ギリシャの次に狙われているのはスペイン、ポルトガル、イタリアなどの財政基盤の弱い国々だ。CDSのスプレッドが上昇している。
ユーロ圏周辺国のCDSスプレッドが拡大、スペインは過去最大に=マークイットロイター参照
2010年 06月 29日 19:30 JST参照
これに対して、EU諸国の政府が打ち出した方針はほぼ2種類。(ドイツは空売り規制も実施 空売り禁止法案を可決=独下院2010/07/02時事ドットコム参照)さんざん公金注入で助けてやったのに、恩をあだで返す金融機関に対する銀行課税と、財政再建のための国民への増税。EU圏の銀行は銀行税に頑強に抵抗している。これに対し、国民も、負担増を強いられるのは筋が違う、儲けた奴らから金を取れと、デモやストライキで意思表示を行っている。
ギリシャとスペインで大規模スト、緊縮財政策に抗議2010年 06月 30日 09:50 JSTロイター参照
G20直後にギリシャ国債のCDSはかつて無いほど値を上げた。G20の直後アメリカの株価は1万ドルを切り、ユーロ、ドルが売られ円が買われた。金融博徒どもが示威行動を行ったのだ。みごとにG20での銀行課税の共同歩調は寸断された。EU各国の政府は、この脅しが効いたのか、金融博徒に肩入れしそうな気配だ。しかしデモやストライキでその動きを阻止できる可能性をEUの国民は知っているのだ。
ちなみに、「デフォルトリスクが最も小さいと見なされる5カ国は、ノルウェー、フィンランド、米国、デンマーク、スウェーデン。」(7月6日(ブルームバーグ)ソブリン債の保証コスト:昨四半期に30%上昇、欧州危機響く−CMEより引用)
基軸通貨国アメリカを除くと全て北欧の社会民主主義の国々だ。なぜ日本人は北欧の社会民主主義にもっと注目しないのだろう。金融博徒の片棒を担いだシティを抱えるイギリスの、しかも労働党政権を新市場主義に染め上げたブレア政権をモデルとするのだろう。その謎解きも以下で述べてゆこう。
・アメリカ一方、金融博徒の総本山アメリカでは何が起こっているか。金融規制法案は下院で議決された。しかし、銀行特別税は削除され骨抜きにされた法案の採決が来週上院で行われる。ここでも金融博徒の示威行動は成功を収めたようだ。
米金融規制改革法案、民主党が銀行課税取り下げ2010年 06月 30日 10:34 JSTロイター参照
アメリカはまさに市場資本至上主義の国だ。大資本が共和党にも民主党にもたっぷりと金を注ぎ込み議会、行政府、さらには州最高裁までをもコントロールしている。日本の金権政治などかわいいものだ。いくらアメリカ国民が民主党を選択しても、その政策は大資本に必ず骨抜きにされる。国民健康保険法もしかり。世界に冠たる自由と民主主義の国という幻想に騙された大資本の奴隷がアメリカ国民の現在の姿だ。
2.日本政府の資金調達の特異性。財務官僚計画経済。・外為特会
そして、そのアメリカの奴隷にも劣る、物言わぬアメリカの大金庫が日本だ。
日本は金融博徒が支配するアメリカ政府の大金庫だ。巨額のアメリカ国債を引き受けて、その金が金融博徒にもどっさりと還流する。
外為特会の100兆円にも積みあがっている資産のほとんどはアメリカの国債だ。財務省は外国為替資金証券(為券)という2ヶ月短期国債を、入札参加資格を持つ金融機関や日本銀行など限られた機関投資家だけに入札、販売し資金調達をする。その資金を外国為替市場の介入に使用してドルを買う。市場介入が終了すればそのドルを売って円に換え、為券の償還に使えばよいのだがそうはしない。そのドルでアメリカ国債を買う。ちなみに、平成21年度末の外貨証券は77兆円、外国為替資金証券は110兆円の予定だが、平成22年度末には外貨証券が112兆円、外国為替資金証券は145兆円にまで激増する予定である。(外国為替資金特別会計貸借対照表参照)外為特会にメスを入れるとしていた民主党の当時の財務大臣、菅直人がどれほど財務官僚に簡単にあしらわれたかという証左であろう。
アメリカ国債の利率(約4%)は為券の利率(約0.7%)よりずっと高い。だから、自転車操業で為券の発行と償還を続けても、その利払いは莫大なアメリカ国債の利子収入で充分まかなえる。しかも、利子収入の残りを一般会計に繰り入れて面目を保ち、さらにその残りを財務官僚が好きなように使うことができる。良いこと尽くしに見えるこの外為特会も、日本の経済が元気になると、暗転する。
(外為特会については植草一秀の『知られざる真実』カテゴリー「外国為替資金特別会計」が詳しいのでご参照ください。)
・一般会計一般会計の国債発行も同じだ。日本の国債はやはり入札によって国内の金融機関に引き受けさせている。国内の金融機関は他に有利な投資先が見つからない、すなわち、投資のための資金需要が少ないためにおとなしく入札に応じる。
もし、日本の経済が元気になれば、資金需要が旺盛になり、貸出金利が高くなり、金融機関にとっては国債よりも有利な国内投資先が増えることになる。財務省は、今までの借金の返済のため、より高い金利をつけた国債を発行しなければならなくなる。
経済が元気になれば所得税、法人税、消費税が増え、財政が安定する可能性が高い。しかし、財務官僚が国債の入札を金融機関に強いることに比べれば、その支配、コントロール力は格段に削がれることになる。
財務官僚が資金調達の支配力を維持することは資金配分の支配力にも直結する。資金配分におけるアメリカ企業への直接支出、貢献はこの支配力なくしては実現できない。
例えば、アメリカからの兵器購入。在日米軍への思いやり予算。沖縄米軍の移転費用の肩代わり。口蹄疫問題で、農水省がアメリカ牛肉輸入のために宮崎牛の大量殺処分という暴挙に及んでいるという推論を以前のエントリーで述べた。アメリカ産農作物の輸入を促進するためには農水省の予算を財務省ががっちり握る必要があるだろう。
アメリカは泥沼のアフガニスタンへの戦費調達、世界に睨みをきかせるための軍備再編、自国の企業への資金還流のため、ますます、日本への資金提供圧力を強めてくるだろう。
すでに、アメリカ政府は米軍基地のグアム移転に対する上納金のかさ上げを求めてきている。
「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」さん「米軍基地移転で米側がさらに金を要求〜事実を隠すことで不利に追い込まれるのはお定まり…あ、利権か」より
以下引用
米軍基地のグアム移転問題に絡んで、菅政権になって、アメリカの言いなりになることを明言した途端、いきなり、①グアムに移転予定だった司令部の一部を沖縄に残し、同規模の戦闘部隊を代わりにグアムに移す方向であることを告げてきたうえ、②ゲーツ米国防長官が北沢俊美防衛相に日米合意の枠外であるグアムのインフラ整備のための資金負担を求める書簡を送ってきた。
引用終わり
3.財務官僚の悪夢・日本経済の活性化
以上から推測できることは、日本の経済が活発に活動することを財務省が何よりも恐れるだろうということだ。
財務官僚の悪夢は民間市場の資金が、莫大な個人金融資産が、国債や為券より、儲けの大きい投資先に向かうことだ。財務官僚が国債や為券の資金調達に対する支配力を失うことだ。
国債や為券の低い利率より儲かる投資先があれば、国債や為券を買ってもらうために、金利を高くしないと誰も入札に応じてくれない。
そうすると為券の利率がアメリカ国債の利率に近づいてゆく。これが何よりも恐ろしい。なぜか。為券の償還原資を確保するために、アメリカ国債をこれ以上買うことができなくなるからだ。アメリカの要求に応えられなくなるからだ。下手をすれば為券の償還のためにアメリカ国債を売らざるを得なくなるからだ。
そして、日本国民に今までの悪事がばれる。アメリカ国債を売ることができないということがばれる。アメリカ国債を売らずに為券の利子を払うためには一般財源からの穴埋めが必要になる。一般財源からの穴埋めには国会の承認が必要になる。今までのごまかしが全部ばれてしまうのだ。しかも、自分達の自由にできた金も枯渇する。
だから、アメリカへの献金と自己保身の為には絶対に日本の経済を元気にしてはいけない。莫大な個人金融資産への支配力が失われ、個人金融資産が市場システムに移管し活性化することは、財務官僚にとっては悪夢に他ならない。
・雇用規制の修復この様に考えると、財務官僚にとって最も忌むべき、蛇蝎のごとき政策が、労働規制の修復だと納得する。国民の末端まで金回りが良くなり、消費が増え、投資が活発化し、莫大な個人金融資産が新たな投資に向けられ、財務省の資金調達に支障をきたすなどという悪夢。これを避けるためには、自殺者が3万人を超えようが、ワーキングプアが激増しようが、そんな瑣末なことは頓着する必要も無い。雇用規制の破壊は必ず貫徹されなければならない。
世界的にもこれほど経済規模が大きく、しかも個人資産が潤沢で、貿易も黒字の国など、どこを探したって、他にはない。これほどの優位性を活用し、国民のすみずみまでお金が回るように雇用規制を修復すれば素晴らしい国になる可能性がある。しかし、財務官僚は絶対にそんなことは許さない。
円高が進むことにより、輸出関連企業の株が暴落し平均株価を下げる。しかし、なぜ日本の円が信任され世界中から買われることが、それほど悪いことなのだろうという素朴な疑問が湧く。食料、石油、工業原料などを輸入に頼る日本では、円高は輸入財の値下げに繋がるはずだ。恩恵を被る企業が沢山あるはずだ。しかし、購買力が枯渇していれば円高の恩恵も価格下落に直結するのだろう。国内では企業の利益にも、従業員の給与にも反映されることは無いのだろう。本来なら日本の優位に繋がるメリットがデメリットへ転化する。それが当たり前のことと受け容れられる不思議な国だ。
アメリカへの隷従が至上命題の、財務省官僚が日本の力を奪っている。マスコミはそのことから国民の目をそらす。財務官僚に踊らされる政治屋どもが日本を亡国へ導く。
4.合点がゆく菅内閣の迷走ぶり・資本主義諸国のみそっかす
日本がG8やG20でいつもみそっかす扱いなのは無理も無い。日本は、経済規模は大きいがアメリカの金庫に過ぎない。他国が、アメリカ専属のもの言わぬ金庫を相手にするはずがない。何か働きかけをしても日本は独自の動きなど取れるはずが無いからだ。しかも、財政における資金調達は市場経済ではない。全く与件の違う国、置かれている状況が違う国。しかもその違いも理解していない日本の総理。そんな国を誰が相手にするだろう。せいぜい、国際機関への出資や他国への援助、金の絡まないテーマへの発言が許されるくらいだろう。
・消費税増税、法人税減税、所得税累進課税強化消費税増税、法人税減税というのもうなずける。徹底的に国内の金回りを悪くし、消費を抑え、新たな投資を誘発することを極力抑えることが重要なのだ。そのためには逆累進性が高く、また、所得税、法人税よりも安定した消費税という財源が財務省にとっては非常に魅力的なのだろう。
日本の企業は、本当は法人税減税よりも需要喚起の政策を求めている。消費の拡大を求めている。(ロイター企業調査:成長阻害要因、「需要不足」が43%参照)しかし、それに応えることは財務省にとっては墓穴を掘ることになる。だから法人税減税というおためごかしで誤魔化そうとする。法人税減税分を、中国など需要が見込める新興国への投資に使って、高額の役員報酬と株主配当に廻してもらえばとりあえず文句は出ない。中小企業もそれでかつかつ食っていければ文句は出ないだろう。
たとえ、高額所得者への累進性を強化しても、それが国民の経済を元気にしなければそれは許容される。吸い上げた税金が高給官僚、大企業、富裕層の間でゆっくり回って、末端へ流れさえしなければOKだ。公務員の給与を削減し、さらに国民経済を疲弊させることは、エリートの財務官僚にとってはわが意を得たりというところだろう。
雇用規制がしっかりとしており、民主主義が行きわたっている北欧型社会民主主義よりは、テクノクラート独裁のソ連型社会主義の方がまだ財務官僚には親和性がある。
・原発への固執。産業振興政策、介護福祉サービスへの消極性財務官僚にとって自然エネルギーへの新たな投資など言語道断だ。そんな新たな市場が活性化するよりも、実用化のめどもつかず、放射性廃棄物をひたすら溜め込み、将来への禍根を残す原発、高速増殖炉へ金をつぎ込んだほうがまだましだ。新たな技術を日本で育むよりも、原発を外国に売りつけたほうがまだましだ。
iPS細胞による医療技術の開発、藻から油を産出するバイオマスエネルギー、発光ダイオードや有機ELDなど先進技術に対する国家を挙げての集中投資。そんな世界情勢から背を向けて、自国の技術の萌芽には目もくれず、ちみっ、ちみっと金を配って天下り官僚が寄生する。事業仕分けで垣間見られた、先端技術つぶしのあり様である。
ニーズは高い介護サービスでも雇用破壊による低賃金、あこぎな業者のボッタクリ、だがこれは財務官僚にとっては当たり前の姿だ。
新しい市場と需要、消費が日本で生まれることを極力排除する。それが財務省の根本理念なのだろう。そうして、日本の産業は衰退の一途をたどっている。
・国民の考える力を奪う教育とマスコミ国民の無知を維持拡大するための教育、ジャーナリズム精神など毛ほども無いマスメディアは、財務官僚にとっては絶対に必要なのだろう。国民を長時間労働に縛り付け、少ない余暇をテレビ、パソコン、ゲームなどで埋め尽くし、考える力を奪うことが肝要である。国民がお互いに反目し分断するような情報操作、補助金による支配がNPOにも適用されているのが現状である。
そうして、消費税増税という言葉だけが国民の意識下に刷り込まれてゆく。
・終わりに財務官僚がこの国の支配権を握っている限り、日本は資本主義国ですらない。アメリカが資本家独裁主義ならば日本はまさしく官僚独裁主義である。そんな日本のあり方を理解せず、ヨーロッパの民主主義をモデルにしようとすることは噴飯物である。
恥かしげも無くギリシャを引き合いに出して日本の危機を煽る。財政再建と経済成長が両立できることをG20で理解してもらったと自画自賛する。低所得者への全額還付などという絵空事を、票目当てで垂れ流す。「菅言を弄する卑劣菅」。なぜここまで惨めな醜態をさらすのか。財務官僚の切なる望みに、それと知らずに、踊らされていると考えれば、全て合点がゆく。日本の元気を破壊し尽くす財務官僚の手のひらで踊り「元気な日本を復活させる」を標榜する民主党の茶番劇。
これほどテレビで宣伝されれば、消費税増税の言葉だけが国民の意識下に刷り込まれる。それが財務官僚にとっての、今回の参議院選挙の最大目的であり、その目的は、ほぼ達せられたと見るべきだろう。
政界の大混乱が望まれる。