2009年10月23日金曜日

船井幸雄.com|“超プロ”K氏の金融講座2009年10月

円高で、為替仕組み債が破裂(破綻続出へ)

いよいよ為替仕組み債が緊急事態
 10月17日号の「週刊ダイヤモンド」によると、日本の為替仕組み債(※)投資の実態の一部が詳しく報道されています。読むだけでも驚きですが、問題はこの報道でさえ一部を書いたに過ぎず、日本全体でみると、凄まじい額の為替仕組み債取引がなされているのは疑いなく、これが、私の見方通り、激しい円高ということに陥れば、ほとんど全てノックイン状態(いわゆる契約で言われた為替の水準に到達して、大損する状態)になるのは疑いなく、国家として、緊急事態を迎えることになるだろうということです。
 亀井大臣は今すぐに(円高になる前に)、このような外資や国内の大手銀行と結んだ「デリバティブ契約の無効」を、国家の意志として、アメリカ側、ないしは大手金融、欧米金融機関、デリバティブの組成側に、超法規的措置として通達すべきです。
 このまま円高を迎えれば、これらデリバティブ契約に基づく為替仕組み債が、予定通り爆発して、地方自治体、大学、財団、また各地の中小企業など、ほとんど、仕組み債倒産に陥ってしまうでしょう。
(※仕組み債(しくみさい)とは、デリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで、通常の債券のキャッシュフローとは異なるキャッシュフローを持つようにした債券。)

すべては必要必然。高まる亀井大臣への期待
   亀井大臣のようなキャラクターが、今この大混乱の前に日本の金融担当相という極めて重要なポストに就いた、またはこれを決断した鳩山首相、すべては必然的に起こっていることです。大混乱に立ち向かう日本としての政権ができているのです。亀井大臣も鳩山首相も、まさに日本の救世主となって、今までの一般常識では考えられないことですが、このデリバティブ取引に関しては、販売側の金融機関の行動に対して、金融商品取引法の拡大解釈を使って、今、日本国として、すべてのデリバティブ契約無効を宣言すべきなのです。

   これら、デリバティブ契約の無効宣言は、実は中国は国家の意志として、すでに欧米金融機関に通達しています(要するに借金の踏み倒しです!)。
 これは、損失が確定してからの話で、商取引としてみると、損したのに払わない、払えないという姿勢になります。これでは、日本も自由陣営の一員ですから、まずい。だから今、円高になる前に<デリバティブ契約の無効>を、国家として行動するのであれば、ぎりぎり許される範囲かという気がします。いずれにしても時間はありません。一刻も早く、この問題に対処しないと、地方自治体の破綻や財団、大学の破綻が相次ぐに違いありません。

ドル暴落、円高の流れは時間の問題
 とにかく、驚くべきデリバティブ汚染が日本中に蔓延しているのです。それも、デリバティブのデの字すら知らないような、地方自治体、大学、果ては幼稚園の資産運用にまで、及んでいるのですからたまりません。なんと日本では、40自治体、総額4,670億円が仕組み債に汚染されているのです。これらは円高によって、ほぼ100%近く、大損する運命にあるのです。昨年から問題になった大阪産業大学や、駒澤大学、経団連、慶應義塾大学などの多額の損失は、主に豪ドルとの契約で起こったことです。それに比べて、これから起こってくるであろう円ドルでのデリバティブ契約は、その額も広がりもケタ違いになっているのは疑いありません。一般的に考えれば、そのような70円を切ろうか、という円高が起こるなどとは考えられないでしょうし、これら為替仕組み債の設定している損失を被るラインは、主には、それだけの激しい円高ラインを設定しているものと思います。ですから、為替だし、先のことはわからないし、そんなことは日本も国家として放置しないだろうと思うでしょうが、そうはいかないのです。もはやドル暴落で円高になっていく、ないしはそういう風に相場を持っていく流れは、すでにこの地点で、決定しているといってもいいでしょう。時間の問題です。
 大阪府は1,050億円を仕組み債で調達、仮に想定の為替ラインになれば、金利はその契約で結ばれた上限である10%に達してしまします。
 その金利負担だけで年間100億円となるのです。大阪府は「金利が上昇するリスクはきわめて低い」と言っているようですが、そんなに甘くはないのです。デリバティブ契約はお金の取りあい、今、大阪府がこの契約でメリットを受けているならば、そのメリット部分は、デリバティブ契約組成側の損失になっているわけですが、これから先は、大阪府がその何倍もの損失を被る順番となり、デリバティブ組成側に貢ぐ形となるのです。

 パワー・リバース・ディアルカレンシー(PRDC)債、これは、日本中で売られている為替仕組み債券ですが、まさに、騙しのテクニックを最大限に駆使したような商品構成になっています。よく騙すには最初に儲けさせること、と言いますが、ご多分にもれず、まず1年目は魅力的な金利を提示します。年5%です。その上、なんと元本保証です。発行体はトリプルAの極めて信頼のおけるところ、これならどうですか? あなたも投資しませんか?
 元本保証で、最初の1年は年5%の金利、その後も激しい円高にならなければ、高金利が保証される。2割とか3割近い円高になれば、金利はゼロになりますが、30年後には元金はちゃんと返ってくるという商品です。何かいいことだらけではないですか?
  自分も投資したいと思うでしょうが、これには落とし穴があるのです。円高です。円高になれば30年に渡って金利がもらえないのです。30年後の元金が返ってきても、その時の物価情勢はどうなっていると思いますか? おそらく10倍にはなっているでしょう。そうなれば元金が30年後に返ってきたところで、9割減です。
 まずはなぜ、このような商品ができるのか? いったい誰が儲かるのか? そこから考えないとわかりません。

すべては日本国民から巨大な金融資産を巻き上げるための施策
 まず、すでに目ざとい投資家にとっては、ドル暴落に伴う円高の流れは必至なのです。そして、その時に「いかにして日本国民の巨大な金融資産を巻き上げるか?」がシュミレーションされてきているのです。にわかには信じられないでしょうが、実はそういうことなのです。その正確な相場の見方、世の中の今後の動きに裏打ちされた形で、巧みに日本の金融機関でさえ巻き込まれて、日本国民の大事な資産が、国民が納得して収奪される手段が、この為替仕組み債なのです。地方自治体だろうが、大学だろうが、経団連も、一応の説明は受けているはずです。当然、激しい円高になれば、自分の投資が損失を被ることは、その額を正確には判定できなくても、理解はしているでしょう。問題は、「そのような円高はあり得ない」と思わせる、このデリバティブ組成側のテクニックなのです。

 彼らにとってドル暴落と円高は既定路線なのです。それについては、11月にビジネス社から発売予定の船井幸雄会長との共著でも詳しく解説しました。残念ながら、日本をリードするような経済界のオピニオンリーダー達には、このような裏の事情は理解しづらいことでしょう。
 現実に起こっていることは、日本の頭脳である有名大学におけるデリバティブ汚染なのですから救われません。慶應義塾大学の365億円の損失はすでに報道されています。同大学は、今後は資産運用の路線を転換、仕組み債投資は凍結しました。
 早稲田大学は昨年度の決算で28億円の損失、現在は、評価損は81億円に達していますが、早稲田側は「証券会社が提示する参考価格は投げ売り価格で、合理的に確定された時価ではない」として「今後も為替のリスクを取りに行くことを全体で決定したうえで、その範囲で収益を上げていく方針」と言っています。さらに今までの投資を貫くという姿勢です。そして驚きは東京大学です。東大も仕組み債を5億円購入していたことを明らかにしたのです。
 早稲田側のコメント、為替のリスクは取りに行くのだ、という考えは、投資ですから、それでいいのですが、問題は、揃いも揃ってなぜ、すべての大学、経団連、地方自治体、地方銀行、幼稚園までが、円安に賭けるのですか? なぜ、すべての投資が損失方向なのですか? 円高になって儲かるところは一つもないではないですか? 考えてください!投資ですよ!どうして一方方向、すべて円安投資なのですか? おかしくありませんか? 日本中が狂っていませんか? 東大、早稲田、慶應、日本の頭脳ですよ!彼らはどんな頭をしているのですか? 揃いも揃って金融で大損、みんな円安でしか儲からない投資に巧みに追いやられていることが、わからないのですか!

 すべては、人を信じやすい日本人の特性、また、今の金融の本当の姿を知らない、金融機関のトップ、監督機関のトップにも問題があると思います。
   「デリバティブ」というものが問題なのです。デリバティブは使いようによっては、まことに便利、確かにデリバティブで革命的に、いろんな商品やリスクヘッジができるようになったのは事実なのです。しかし、デリバティブはお金を増やすものではありません。総額は変わらず、お金を取りあう仕組み、それがデリバティブです。仕組み債で自分が有利と思えば、誰かがその損を背負うのです。日本人が損をすれば、誰かが儲かっているのです。ゼロサムゲームですから当たり前でしょう!デリバティブ商品はそういうものなのです。ですからポーカーですよ。丁半ばくちですよ。これを東大から幼稚園までやっているわけで、この金取りゲームの総ヤラレの敗者が日本人の大集団なのです。悲劇は自分が丁半ばくちをやっていることがわからなくて、実はやっている、そして損をしているという事実です。東大や早稲田、慶應まで騙されるのだから仕方がない、という問題ではありません。今の資本主義というシステム、その行きついたところが、我々が意識もしないうちに、丁半ばくちに引き込まれていく、ということが大問題なのです。

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2009年10月22日木曜日

ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 : デンスケ・ショックは、ゲバラ・亀井の独断?

アルルの男・ヒロシです。

今朝の新聞、週刊誌各メディア。斉藤次郎・元大蔵事務次官の日本郵政社長の起用について、詳しく書いている。中でも異色なのが読売の社説。

(引用開始)

民主党は野党時代、日銀総裁人事で財務省OBの起用に強く反対し、長期間にわたる総裁空席の事態まで招いた。

 それが今回、一転して大蔵OBの起用に踏み切ったことで、一貫性を欠くとの見方もある。

 だが、適材適所であれば元官僚といえども、起用をためらう理由はない。民主党が人材活用の手法を転換したのなら歓迎である。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091021-OYT1T01299.htm
(引用終わり)

『郵政次期社長 意外な大蔵次官OBの起用(10月22日付・読売社説)』という見出しである。批判を前に出したトーンではない。書いたのは主筆の渡邊恒雄にちがいない。デンスケはナベツネと近いという報道も以前にあったからだ。

また、「週刊文春」には、「後任は私が決めた!鳩山さんも知らないよ」という見出しになっている。亀井は選挙の前から、斉藤人事についてきめていたといい、鳩山総理に「あなたにもいえないよ」と言ったそうだ。朝日には、鳩山が人事を伝えられたとき、いったん、異議を唱えたと書いている。鳩山は、「いわゆる元官僚ではないか」と口を挟んだそうだ。しかし、斉藤次郎という名前を聞いたあと、「本当に能力のある人ならば認めるべきではないか」という方向に転換したと書かれている。

私見では、民業圧迫になる郵貯や簡保は業務拡大すべきではなく、拡大すべきは、郵便や郵便局業務だろう。斎藤体制で、金融強化を目指すのならば、これは反対しなければならないことだ。郵貯や簡保はそれ自体でサービスはすでに完璧に近い。分社化の弊害を直すだけでいい。

亀井は、「週刊文春」の記事では、「企業や人のためにならない銀行は百害あって一利なし。極論すれば、そもそも銀行なんて世の中に必要ない」と放言している。さすがは、チェ・ゲバラの肖像を事務所に掲げているだけある。亀井にとって、政権交代とは自民党に対する革命戦争だったようだ。

亀井曰く、「今はマスコミも世論もフランス革命と一緒だよ。『ブッた斬れ』『ブッた斬れ』で、ギロチンで首をきるたびに拍手喝采が起きる」。実は、亀井は公共事業の削減についての文脈でこの発言をしているのだが、政治闘争においても、当てはまると思う。

私は極端な革命が嫌いだから、この発言には少々危惧を覚える。しかし、権力闘争の視点だけで政治をみれば、この発言は理解できる。しかし、いずれ革命期が終わって平時に移行するのだから、いつまでもゲバラは必要とされない。

亀井の行った、中小企業に対する返済猶予政策は、アイデアとしては大風呂敷だが、魅力がある。それを大塚耕平議員が立派な法案にまとめた。亀井も、貸し渋り法案で最終的には現実的な妥協が出来る人なのだ。BIS規制の中小銀行への適用緩和・停止など、国際金融をやる大銀行と地域金融の線引きをしておこうというのが亀井の考えだろう。

ただ、今回の斉藤人事は、ちょっと先走りすぎだった。他にいなかったわけではなく、亀井の発言を聞いている限りでは、「俺が決めた」ということらしい。しかし、小沢、渡邊、亀井の三者で決めたのかもしれない。

民主党は脱官僚を訴える政党なのだから、「過去官僚」の斉藤を起用するのは矛盾する。もちろん、斉藤がどのような会社経営を行うかで評価は替わってくる。民主党・国民新党が打ち出した郵政見直し方針は、これ自体は非常に妥当なものなので、この路線を徹底するなり、日本郵政の経営陣が報酬を低く抑えるなりして、国民にアピールする必要がある。

今回の人事や一連の郵政関連の動きを見て思うことは、よくもわるくも、国民新党はしっかりと公約を実現する政党だということだ。ただ、綿貫代表を失って、「亀井私党」になってしまった感がある。政権交代の完成は来年の参院選だが、民主党が過半数を取れば、このあと国民新党は今のようなやりたい放題はできなくなる。国民新党は小泉郵政改革に対する怨念で出来た政党なので、存在意義を失えば解党されるべきだし、自然とその流れに向かう。新しい政治目標をみつけなければ、数年以内に国民新党はどこかに吸収される運命だろう。参院でも小沢が無所属の4人を民主党に入党させており、弱小政党の民主党への吸収が始まる。第三勢力の存在の余地が無くなるのも怖い。イギリスにしても、保守党、労働党の他に、自由党が存在する。

民主党を動かしているのは幹事長の小沢一郎だが、小沢一郎も参院選以降、比較的早い時期に政治家としての身を引くべきだろう。それまで、「小沢政治学校」の候補者養成術をしっかりと後身に伝承していくべきだ。

どんなに役不足だと思っていても、日本の次の政治は、菅直人とか、野田佳彦とか前原誠司とか、あるいは大塚耕平とか馬淵澄夫とか、そのほかの当選回数4回から上の政治家にゆだねられる。(そういえば、菅の国家戦略局はどうなったのだろう・・・・?)それを見越した上で、「ポスト政権交代」の人材を見いだしていく時期だと思う。私達は革命後の日本を見なければならないと思う。

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デンスケの略歴
(国際金融畑ではなく、主計畑です)

学歴 [編集]
1954年3月 - 都立新宿高等学校卒業
1959年3月 - 東京大学法学部卒業 加藤一郎ゼミ(民法)
職歴 [編集]
1959年4月 - 大蔵省(現・財務省)入省 主計局総務課配属
1965年2月 - 国際観光振興会出向 フランクフルト駐在
1968年8月 - 主計局法規課課長補佐
1970年7月 - 主計局主計官補佐(建設係主査)
1974年7月 - 理財局
1976年7月 - 西ドイツ大使館参事官
1979年  - 主計局主計官(企画担当)
        - 主計局主計官(公共事業担当)

1983年  - 主計局総務課長
1984年6月 - 大臣官房文書課長
1986年6月 - 主計局次長(次席)
1987年  - 主計局次長(筆頭)
1990年6月 - 官房長
1991年6月 - 主計局長
1993年6月 - 事務次官。1995年退任[8]
2000年5月 - 東京金融先物取引所理事長就任[8]
2004年4月 - 東京金融先物取引所株式会社化に伴い社長に[8]
2009年10月- 日本郵政次期社長に指名される。


デンスケの由来: 猪突猛進なところもあり、あだ名は「デンスケ」。趣味のマージャンで上がる際に「デーン」と言ったり、「デン助」と親しまれた喜劇役者の大宮敏充に容姿が似ているということから付けられたという。


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ウィリアム・クーパー氏のUFO極秘情報 なんじゃこりゃー


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マガジン9条〜この人に聞きたい『保坂展人さんに聞いた』その1〜

「建設中止」をめぐって、大きな注目を集める群馬県の八ッ場ダム。
さまざまな情報が飛び交っていますが、
果たして問題点はどこにあるのか? そして地元の人たちを取り囲む状況は?
かねてから八ッ場ダムをはじめ公共事業の「ムダ」問題に精力的に取り組んできた、
「国会の質問王」こと保坂展人さんに伺いました。

ほさか・のぶと
前衆議院議員 社会民主党副幹事長
国会質問が500回を超える“国会の質問王”として活躍したが、先の衆議院選挙で落選。「公共事業チェック議員の会」の事務局長として、八ッ場ダム、泡瀬干潟の問題に取り組んできた経験を活かし、『週刊朝日』で「国会の質問王、保坂展人が現場を歩く」のシリーズで執筆中。ブログ「保坂展人のどこどこ日記」連日更新中。

住民を追いつめたのは誰なのか

編集部

 今年9月の鳩山政権発足と同時に、前原誠司国土交通大臣が、群馬県吾妻郡の吾妻川で進行中だった「八ッ場ダム」の事業計画を中止すると発表したことに対して、注目が集まっています。特に当初は、地元住民の代表が前原大臣との意見交換会への出席を拒否するなど、「中止反対」が住民の総意であるかのような報道が目立ちました。
 保坂さんは、政権交代以前から公共事業の「ムダ」を強く指摘され続けていて、先日の『週刊朝日』にも「八ッ場ダム——隠された真実」という、計画のさまざまな問題点を指摘する記事を寄稿されていましたが、一連の報道をどう見ておられましたか?

保坂

 最初のころの報道は、あまりにもひどくて驚きました。建設中の橋脚の映像を見せて、「7割はすでに完成しており、あと3割、約1000億円の予算を投入すれば出来上がる。つくらないほうが予算の無駄だ」なんてテロップが入る。おっしゃるとおり、「ダム建設は住民の悲願であり、その住民の声を無視するなんてけしからん」という声のオンパレードでしたね。
 その後、私も自分のホームページなどで、それに対する反論や、そもそも八ッ場ダムの歴史とは、といった情報を書いて出したりしたんですが、そのうちに少しメディアのほうも調子が変わってきたかな、と思います。治水の効果や利水のニーズが本当にあるのかという議論も始まって、ある民放のアナウンサーからも「これまでは反対派の声しか取り上げてこなかった」という自省の言葉を聞きました。
 それにしても、「反対派」というと僕はどうしても「ダム反対派」のことだと思ってしまうんだけど、公共事業の中止に反対する人たちが「反対派」と呼ばれるようになったのはが、おそらく初めてのケースでしょう。政府の中止宣言に対して「反対だ」ということなんでしょうが、「軸が移動した」ということを強く感じたし、非常に面白い現象だなと思いましたね。

編集部

 最近も八ッ場ダム建設予定地の現場に足を運ばれたそうですね。実際に耳にされる地元住民の声というのは、どうなんでしょうか?

保坂

 「中止が決まって、本当によかった」という人もいますよ。すでに整備された道路は無駄になるわけじゃないし、あとあの地域はJRの線路が、大雨になるとすぐ止まってしまうような危険なところを走ってるんだけど、「どうせダムができて沈んでしまうから」というので、ここ半世紀ほとんど手が入っていなかったんですよ。だから、これで交通インフラの改善が進むんじゃないかという期待もある。
 ちなみに、実は今、八ッ場ダムは視察ラッシュなんですよね。


有名になったT字型の橋桁の下を走るJR吾妻線特急列車
編集部

 視察ラッシュ?

保坂

 自民党の県議団とか、公明党の都議会議員団とか。「(事業中止決定は)地元住民の声を無視したフライングで、強引じゃないか」といって、前原大臣から一本取りたいということでしょう。事実、当初はそれが可能なようにも見えたじゃないですか。
 ただ、彼らに言いたいのは「これまで強引にやってきたのはあなたがたでしょう」ということですよね。これまでの政権があまりにも強引に事業計画を進めてきたからこそ、住民は国を信じられなくなったし、「一切自分たちの声は聞いてもらえないんだ」ということで、あきらめてしまった。
 50年以上も、人々がダムという大きな問題を抱えながら生きざるを得なかったというのは、大変な犠牲ですよ。あきらめて出て行ってしまった人も多いし、コミュニティも崩壊してしまっている。それなのに、その状況を押しつけた当人たちが今頃になって「住民の立場を考えろ」なんていうのは、天に唾するようなものでしょう。
 しかもそれで、中止反対派の住民を「どうしても造ってもらわないと困る」と、まるで決死隊みたいに演出して矢面に立たせる。あまりにやり方が悪辣だと思います。結果として、地元役場には中止反対派に対する「住民のエゴだ」といった抗議電話が殺到したそうですよ。

現実性がない「ダム湖観光で地域振興」

編集部

 では、八ッ場ダム事業計画の、具体的な問題点についてもお聞きしていきたいと思います。
 『週刊朝日』の記事の中では、まず建設目的の一つとして挙げられている利水の面について、「首都圏の水需要は節水型家電製品の普及で現象を続けているし、八ッ場ダムが完成しても、利根川水系に現在あるダムの利水容量がわずか5%増大するに過ぎず、ほとんど効果がない」と指摘されていますね。さらに、治水効果に至っては、「ほとんど役に立たない」ことを、国交省自身が認めてしまっている、と。

保坂

 もともと、八ッ場ダムの計画が持ち上がったのは、1947年に大きな被害が出たカスリーン台風の再来に備えるためということでした。ところが昨年、民主党の議員が出した質問主意書に対する政府答弁書には、「カスリーン台風と同規模の台風が到来した場合、下流の計測ポイントで計測されるピーク流量は、ダムの有無によって違いはない」とあるんです。まあ、カスリーン台風と同じルートで来たらそうなるけれど、違うルートで来たときには役に立つというのが彼らの言い分なんでしょうが。

編集部

 また、ダムの完成後は、ダム湖とその周辺を一大観光地にして地域振興につなげるというのが、これまでの国や県の主張だったわけですが、これについてはどうなんでしょうか。ダム湖を観光資源にして成功した例は、実は全国でもほとんどないんですよね。

保坂

 しかも、ダム湖の上流には、東京電力が発電用水を確保するための「長野原取水口」があります。ここに、水力発電用水を溜める高さ15メートルくらいの堰、いわば一種の小さなダムがあるんですが、これは多分、八ッ場ダムの将来の姿をかいま見せてくれる場所だと思います。

編集部

 というと?

保坂

 つまり、ここに流れ込んでくる上流の川の水の中には草津温泉などの観光地からの排水や、畑で使用された肥料などが大量に混ざっている。結果として、水が富栄養化して藻類が異常繁殖するんです。夏ともなれば青みがかった色になって、悪臭がするような状態になる。僕が先々週行ったときにも、決してきれいとは言えない色でしたね。
 八ッ場ダムができれば、この水もそのダム湖に流れ込むわけです。八ッ場ダムは大きくて深いから、希釈されてもっときれいな水になると国交省は言うかもしれないけど、実は夏場の八ッ場ダムというのは、豪雨による洪水に備えるために、水位を満水時の4分の1に下げる予定なんですね。そうすると、そもそもダム湖畔に立っても、のぞき込まないと水面が見えないような形になるし、水質を考えてもとてもじゃないけどきれいな湖面になるとは思えない。そこでボートを浮かべて遊んだり、というのは考えにくいですよね。

年間10億円をかけた「中和事業」

編集部

 上流には、強い酸性質を持つ吾妻川の水を石灰で中和するための「中和工場」と、そこで発生する生成物を溜める「品木ダム」があって、ここにも多くの問題点がある、と指摘されていますね。

保坂

 もともと八ッ場ダムの建設は、計画が持ち上がった後に一度中止になりかけたことがあるんです。反対する地元住民たちが「こんなに酸が強くて、魚も住まないような川の水を下流の人に飲ませられない」と主張したんですね。しかし、建設推進派は執念で中和工場を完成させて、ダムの計画を進めてしまった。

編集部

 中和工場というのは、どういうものなんですか。

保坂

 仕組みは原始的です。石灰を山から切り出して、破砕して粉にしたら、これを水と攪拌して「石灰ミルク」をつくる。それをパイプで川に流すんです。それによって強酸性の水が中性化して、かわりに発生する石灰生成物、つまりヘドロが品木ダムに溜まるわけですね。
 白木ダムのパンフレットには、「貯水のためではなく、石灰生成物を溜めるための、日本で初のダムです」といったことが書いてある。しかし実は、40メートルの深さがあったこのダムも、中和事業が始まってからどんどんヘドロで埋まってしまって。1988年から浚渫作業が開始されたんですが、それでも今は一番深いところで5〜6メートルの深さしかないという状態です。

編集部

 浚渫作業というのは?

保坂

 湖面に浚渫船を浮かべて、底に溜まったヘドロをすくい上げるんです。それを、脱水してからダンプに積んで、工場でさらに圧縮してから近くの山に捨てに行く。「山から出したものを山へ返す、究極のリサイクルです」と国交省の職員が説明していました。さすがにそれではまずいと思ったのか、「セメント化も研究中です」と言っていたけど、7年前に聞いたときも研究中だったし、今も研究中ですからね。
 そして、この中和工場の事業予算が、年間10億円なんです。石灰を買う予算だけで2億円ですから。それが46年間続いている。この、始めてしまった事業は半永久的にやらざるを得ないというのは、いかにも「土建国家日本」を象徴しているなあと思いますね。


石灰生成物の受け皿としての品木ダム。パワーシャベルですくい取っているのはコールタール色のヘドロ。
編集部

 10億円…。これは一応、八ッ場ダムとは関係ない事業ということになっているわけですよね。

保坂

 国交省はそう言っているけど、これでダム計画が一気に復活したのは事実です。
 しかも、「酸の害を防ぐ大事な事業だ」と国交省は言っているけど、本当にそれが必要なのかという問題もある。僕もまだこれ自体を「中止すべきだ」というところまでは踏み込めていないんですが、吾妻川というのは、もちろん昔から強酸性だったわけです。でも、下流のほうになればいろんな川から水が流れ込んできて希釈されて、魚も住むようになるわけだし、問題なのはあくまで「吾妻川の水は飲んじゃいけない」ということ。だから、吾妻川流域に住む人たちは沢の水などを飲料水にしていたんです。
 そう考えると、ダムという話がなければ中和工場も必要なかったんじゃないかと思えるし、少なくともダムをつくらないのなら、中和をし続けることがいいのかどうかをもういっぺん考える必要はあるんじゃないか。もちろん、橋に使われている釘やコンクリートが酸で駄目になるとか、「酸の害」というのはあると思います。ただ、じゃあ日本中のそういう酸の強い川すべてで中和事業が行われているかというと、そうではない。品木ダムの他にはあと1カ所、秋田県の玉川温泉にあるだけですから。

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【仕組まれた陰謀:欧米衰退後に台頭するBRICSw】米国の大物経済学者が警鐘!「世界経済危機の第二波が近づいている」 官からアメリカ人へ

金融危機後の経済運営に苦慮する欧米の政策担当者の間で今、ある本が注目を集めている。800年に及ぶ経済危機の歴史と教訓を探った「THIS TIME IS DIFFERENT:Eight Centuries of Financial Folly」(プリンストン大学刊)がそれだ。著者は、国際通貨基金(IMF)元チーフエコノミストのケネス・ロゴフ・ハーバード大学教授とカーマン・ラインハート・メリーランド大学教授。メインタイトルを直訳すれば、「今回は違う」だが、実際の主張は真逆だ。世界は、言うなれば「今回は違うシンドローム」に囚われ、同じ過ちを繰り返してきたという。その診断が正しければ、今回も危機の第二波が近づいている。ソブリンデフォルト、すなわち政府債務の不履行の津波だ。欧米の経済政策論議に大きな影響力を持つロゴフ教授に、世界経済そして日本経済の行く末を聞いた(聞き手/ダイヤモンド・オンライン副編集長、麻生祐司)。

国際金融学の権威。1999年よりハーバード大学経済学部教授。2001〜2003年は国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストを務めた。10代からチェスの名人として世界的に知られ、国際チェス連盟から最高位の称号である国際グランドマスターを授与されている。1980年にマサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学博士号取得。1953年ニューヨーク州ロチェスター生まれ。

—主要国による積極的な財政出動や金融緩和策が機能し、世界経済は最悪期を脱したとの論調が広がっている。これは錯覚なのか?

 率直に言って、世界経済の先行きを楽観するのは、間違いだ。

 歴史は繰り返すとすれば、今回の大不況の終焉はまだ訪れていない。過去、世界経済は幾度となく金融危機に見舞われたが、多くの場合、危機発生の2〜3年後あたりから、ソブリンデフォルト(政府債務不履行)の大波に襲われてきた。

 1930年代の大恐慌の後には、1950年代初めまで世界各地で対外債務、対内債務のデフォルトがずるずると続いた。カーマン(ラインハート・メリーランド大学教授)と私の共同研究では、この間、実に世界の半分近くの国が政府債務の不履行もしくはリスケジューリング(債務返済繰り延べ)に追い込まれたことが分かっている。1980年代初頭のコモディティ相場の崩落もその後、ラテンアメリカ諸国を中心とするデフォルトの増加につながった。古くは、ナポレオン戦争後の19世紀初頭の混乱期にも、多くの国がデフォルトしている。

 カーマンとは、欧州、北米・南米、アジア、アフリカ、オセアニアの66ヵ国の数世紀に及ぶデータを精査したが、多くの国で金融危機後の3年間で財政赤字が3倍に膨れ上がっていた。周知のとおり、主要国の多くが今、そのコースを辿っている。債務が膨らみ、不況が長引き、その後各地で高インフレや金融逼迫が同時多発した過去と今回だけは絶対に違うと、誰がどうして言い切れるだろうか。

—しかし、たとえば第二次大戦につながった大恐慌時に比べれば、世界経済のガバナンス体制は遥かに進化しているのではないか。主要新興国を含めたG20への対話拡大はその一例であるように思われる。財政・金融政策面での緊急対策を解除する、いわゆる出口戦略への移行タイミングを主要国が見誤らなければ、第二の危機は避けられるのではないか。

 誰もが「今回は違う」と願いたい。だが、目の前の現実は、生易しくない。たとえば、米国の最近の債務残高増加ペースは過去に比べて、2倍のペースで突き進んでいる(今年9月までの2009年会計年度の財政赤字は、前年度比3倍超の1兆4171億ドルという史上最悪の水準にまで膨れ上がった)。また、大規模な財政出動をしていない国も、不況に伴う歳入落ち込みが原因で財政赤字が膨らんでいる。

 しかも、出口戦略への移行は、言うは易く行うは難しい。過去のデータを調べて分かったことだが、失業率や一人当たり所得が危機前の水準に戻るまでには、2年どころか、4年の歳月が必要だ。多くの国で失業率は少なくとも今後6〜9カ月は上がり続ける可能性が高い。さらなる景気対策を迫られる国も多く出てくることだろう。


—先進国のデフォルトも心配すべきだというのか。

 もちろん、最初に懸念すべきは新興国だが、大国も長期的には心配だ。5年〜10年先には、ドイツや米国、英国の債務問題は間違いなくさらに深刻化している。

 そもそも、これらの大国も、通貨価値の引き下げなどを通じて、事実上のデフォルトに追い込まれた過去を持つ。たとえば、米国は1933年に、ドルの価値を金1オンス当たり21ドルから同35ドルに引き下げた。1970年代にも高インフレによって債務負担を圧縮している。政府はデフォルトではないというだろうが、一方的に通貨価値を下げることは、債権者からみれば、債務の不履行に等しい。

ちなみに、日本も過去に何度かデフォルトしている。著書でそう言及したところ、ある日本政府高官から「日本はデフォルトしていない」と訂正を求められたが、データを示したら納得してくれた(たとえば、1946年、預貯金はいったん封鎖され、封鎖預金からの払い戻しは新円で、限度は世帯員1人について100円とされた)。

 デフォルトというと、対外債務ばかりを想像しがちだが、対内債務のこの種のデフォルトまで含めて考えれば、大国の債務不履行はあり得ないとは断言できない。

—ここまで聞いていると、あなたは、昨年来の各国の財政出動が間違いだったと言いたいのか?

 すべての国において積極的な財政出動が絶対に必要だったのかと聞かれれば、そうではないと答えるほかない。日本などは、むしろ増税し、かつ支出を減らし、よりバランスの取れた予算を組むべきだ。ただ、リーマンショックに襲われた当時を振り返れば、世界経済がその後どのような事態に陥るのか確証を持って語ることができた人はいなかった。世界の終りが来るかもといわんばかりの不安が渦巻いていたあのような状況下では、大規模な景気刺激策は道理にはかなっていたとは思う。

 そもそも、私は歴史の教訓を提示することで、財政出動の是非を問おうとしているのではない。危機は長引くことを歴史は告げているわけで、財政出動が必要な国はこれからもそうすべきだ。オバマ政権には、とにかく短い期間に財政政策と金融政策の方針を変更するストップゴー政策だけは取ってはならないとアドバイスしてある。政策担当者に、迫りくるシナリオをきちんと認識してもらい、正しい対策を打ってほしいと切に願っている。

—その正しい対策とは何か。

 まず、現実を直視することだ。現実とは、今後10年以内に、多くの国が、大幅な増税、インフレ、実質的な債務不履行などを経験するだろうということだ。このようなときには、とにかく経済構造改革に全力を尽くすべきである。

私は、最大の懸案は今回の危機の背景的要因となったグローバルインバランス(世界経済の不均衡)の解消だと考えている。アジア、特に中国が米国の経常赤字をファイナンスする構図は維持可能ではない。米国の過剰消費は改め、その一方で中国は社会保険や教育のセーフティネットを整備し消費を喚起しなければならない。その意味で、先のG20の声明が、不均衡解消の必要性に言及したことは正しい。後は、特に米国と中国が想像力を駆使して対策を考え、実際に行動を起こすことだ。最悪のシナリオは、今回の危機を一過性の地震と捉え、壁から落ちた絵や倒れた家具を元に戻せば大丈夫といった自己暗示にかかって、変化を先延ばしすることだ。


日本は中国を中心に回り始めた
世界経済新秩序の敗者か

—ところで、先ほど、債務危機が今後懸念される国に日本を含めなかったが、OECDによれば、日本政府の粗債務残高は2010年にGDP比で200%、純債務でも同100%にまで悪化する見通しだ。1400兆円の個人金融資産があるとはいえ、少子高齢化が急速に進んでいることを考えると、財政の持続可能性に関してとても楽観できる状況にはない。

 言及しなかっただけで、長期的に見れば、もちろん、欧米諸国同様に債務危機に陥る可能性はある。少子高齢化や人口減少の速度を考えれば、この水準の債務をいつまでも抱えていられるものではない。

 この点については、日本政府に対して二つのアドバイスをしたい。ひとつは、国債の満期構成を長期化させることだ。繰り返すが、危機は来る。短期金利が実質ゼロだからといって、短期でつなぐ誘惑に負けてはならない。たとえ高くついたり、一時的に財政赤字の拡大を招いたとしても、満期構成の長期化は危機の第二波に対する安い保険となる。

 第二に、2%程度のインフレを目指すべきだ。債権者に下落した通貨価値での返済を押しつけるインフレは、債務問題のフェアな解決法とは言えないが、債務負担を軽減させる有効な手段であることは明らかだ。

日本銀行は素晴らしいリサーチスタッフを抱え、総裁は聡明であり、とてもプロフェッショナルな組織だが、ことインフレについてはスタンスを改めるべきだと思う。いまや、米国のFRB(連邦準備制度理事会)の中からでさえ、3〜4%のインフレを目指すべきとの声が聞かれる。日本も、インフレターゲットでも、日本流のオリジナルバージョンでもいいから、早く発想を切り替えるべきだろう。


—債務負担圧縮の視点はさておき、成長戦略の面ではアドバイスはないか。

 まず、日本経済がなぜ今のような停滞に陥ったのか、もう一度きちんと考えるところから始めるべきだろう。金融危機のせいにするのは簡単だが、それは間違いだ。

 私は、大きな原因のひとつは、中国の成長をうまく生かせなかった点にあると思う。それどころか、中国の台頭で、世界経済における日本のグラビティ(引力)が下がってしまった。要するに、新たに中国を中心に加えて回りだした世界経済において、日本は敗者となってしまっているのである。

 むろん、人口減少問題を解決すること。これは何にもまして喫緊の課題だ。アウトサイダーの私が言うのもなんだが、女性が子供を産みたくなるような、そして移民が受け入れられ、定住したくなるような社会づくりを急がなければならない。政府はそのために何をすべきかもっと想像力を働かせるべきだし、国民も、たとえば移民問題について、どこまでが許容でき、どこからが無理なのか、もっと突っ込んで議論すべきだろう。ただ、同時に、中国の経済成長からもっとポジティブなベネフィットが得られるように、とにかく知恵を働かせなければならない。

 アジア通貨統合に向けて中国と共同でイニシアティブを取るのも一計だろう。独仏が第二次大戦後の欧州経済統合に向けた取り組みから得た成果は計り知れないほど大きい。日中が同じことを目指せるならば、政治的にも大きな前進となるし、両国の経済関係は劇的に深化する。グローバルインバランス解消にも貢献しうる。

 日本に限ったことではないが、低所得者層に金をバラまくだけではない、こうした発想をアクションに結びつけて初めて、「今回は違う」という主張にも説得力が宿るのではないか。

http://diamond.jp/series/dol_report/10022/?page=5  

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新党日本

「不公正な益税を排除すべく、他国同様にインボイス方式を『消費税』に導入する。その上で、イギリス同様に食料品及び医薬品に対する消費税を廃止する」。何故か他党は黙して語らぬ益税は、フェアの対極です。
「公的資金注入を厳格化し、金融機関へ注入する場合は、執行役員以上の全経営陣の退陣を条件とする。製造業を始めとする一般企業への公的資金注入は、政府系金融機関経由も含め、社会的公正と経済的自由の観点から疑念が生じる為、原則禁止する」。
 公的資金注入後も程なく、返済が容易な金融機関に対しては厳格な責任を明確化する一方、エルピーダメモリに象徴される、本来は市場原理で一旦退場・再度復帰を図るべき製造業への公的資金投入は、恣意的判断に基づいてはなりません。
 経営者責任を問われぬ儘(まま)、金融機関や大手製造業が救済されるのならば猶(なお)の事、「匠(たくみ)」の精神に満ち溢れたモノ作り産業の復権を図る上でも、「中小事業者の自殺を防ぐべく、連帯保証人制度を撤廃する」決断が急務です。
「生涯教育こそ活力の源泉、との視点に立ち、生涯学習に個人が投じた費用を税額控除対象とする」。「して良い事と悪い事の道理を体得させる『躾(しつけ)の時間』を、三歳児までの幼児に義務化する」。「生まれ育った地域の歴史と日本の伝統文化・芸術を学ぶ時間を、中学校・高等学校に新設する」。
“フェア・オープン・シンプル”な日本社会を成熟させる上で不可欠な施策は、更に続きます。
「ドル、ユーロに続く“第三の通貨”誕生に向けて、BRICs4カ国との具体的協議を開始する」。「アルファベットに倣い、日本主導で統一漢字体を確立し、ゆるやかなアジアの連帯を文字から始める」「アメリカ、中国・アジア、オセアニア、ロシアとの“交差点外交”を展開し、経済、ヒト、モノ、マネー、文化等の多分野で、中継拠点としての日本の持続的成熟を戦略的に構築する」。
 脱しがらみ、脱既得権益の「改国」に向けた新党日本マニフェスト全文はホームページで閲覧可能です。

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2009年10月21日水曜日

Electronic Journal: ●「なぜソニーはiPodを開発できなかったのか」(EJ第2678号)

ジョブズは、開発チームが約束した期日に遅れそうになったり
技術的に壁にぶつかったりして電話をかけてくると、おだやかに
話を聞き、チームの優秀さを称えたあとで、「やればできる」と
いって電話を切ってしまうそうです。部下からは絶対に「ノー」
という返事を受け取らない人なのです。
 このようにジョブズは目標は大きく具体的に示すのですが、そ
の達成方法については一切部下にまかせるのです。上司が達成方
法にまで踏み込むことは、部下に余計な先入観を与え、実現の可
能性を限定的なものにしてしまう恐れがあるからです。
 ソニービルができる前のことですが、ソニーの盛田昭夫社長は
広報部長に対し、こういう指示を与えています。
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 1年たったとき、東京のどこかからタクシーに乗って、ひと言
 「ソニービル」と言うだけで運転手が連れて行ってくれるよう
 なPRを考えろ。——竹内一正著/リュウブックスアステ新書
         『スティーブ・ジョブズ/神の交渉力』より
—————————————————————————————
 目標は誰でもわかる具体的なものです。社長はそれを指示し、
その達成方法は広報部長にまかせたのです。達成方法は無限にあ
るでしょう。あらゆる可能性を追求せよ——それをやるが部下の
仕事なのです。 ——[クラウド・コンピューティング/06]

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