クラウド化が進行する社会では、それを生かすも殺すも「携帯
電話」がカギを握ります。いや、携帯電話がこれだけ普及したか
らこそクラウド化がここまで進んだともいえるのです。
現在市場に出ている携帯電話には次の2種類があります。
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1.一般的携帯電話
2.スマートフォン
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第1は「一般的携帯電話」です。
この携帯電話は、携帯電話事業者の定めたサービスを利用する
ことを前提とした端末です。ウェブサービスは「iモード」に代
表される携帯電話向けのものを中心に使うのです。現在利用され
ているほとんどの携帯電話はこのタイプです。
第2は「スマートフォン」です。
これは電話というよりもPCそのものです。PC用と同じ機能
を持つ電子メールソフトやウェブブラウザを備え、利用するサー
ビスもPCと変わらない。現在、急速に普及しつつあるアイフォ
ーンはこのタイプに属するのです。
ここでいう「一般的携帯電話」でもPC用ウェブをそこそこ見
れるようになっています。しかし、それはけっして満足するレベ
ルには達していないのです。しかし、キャリア側としてはそこに
は次のような甘えがあったと思うのです。
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満足すべきレベルに達していなくても、携帯電話でもここま
でやれるということを示せばいいのではないか
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しかし、それはスマートフォンが現れる前はそういうことでも
許されたと思うのですが、スマートフォンが思ったよりも安い価
格で出現してくると、一般的携帯電話のサービスに不満を持って
いる人は確実にスマートフォンに切り換えるはずです。そうなる
と、いわゆる携帯電話は、限りなく電話に近いケータイと、限り
なくPCに近いケータイに二極化すると思われます。
さて、クラウド時代にはスマートフォンということになります
が、スマートフォンには代表的なものが3つあります。
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1.アイフォーン
2.アンドロイド
3.ブラックベリー
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アイフォーンは、いうまでもなくアップル社の開発による、特
徴的なタッチ操作のスマートフォンです。日本では、ソフトバン
ク・モバイルがサービスを担当しています。
アンドロイドは、グーグルが中心になって開発している携帯電
話向けのOS「アンドロイド」を搭載したスマートフォンです。
現時点では、NTTドコモより、「HT−03A」が発売されて
います。auのアンドロイドは来年の発売といわれます。
ブラックベリーについては、既出の西田宗千佳氏の説明を引用
します。
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ブラックベリーは、カナダのリサーチ・イン・モーション社が
開発した企業システムとの連携やメールの読み書きを重視した
端末で、フルキーボードを搭載している機種が多いこと、アメ
リカのオバマ大統領が愛用していることなどで知られている。
日本では、NTTドコモでサービスが行われている。
——西田宗千佳著
『クラウド・コンピューティング仕事術』/朝日新書/195
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スマートフォンを使う目的とは何でしょうか。
スマートフォンを携帯電話と考えないことです。それは、肌身
離さず身に付けているPCと考えるべきです。そのように考える
と、スマートフォンにはさまざまな使い方が考えられるのです。
ちなみに、「PCはソフトがなければただの箱」といわれまし
たが、ソフトには次の2つがあるのです。
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1.データを「作る」ソフト
2.データを「見る」ソフト
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「データを作るソフト」とは、ワープロや表計算ソフトなどの
ように、操作した結果、データが残るものをいいます。PCが普
及した初期のソフトウェアは、ほとんど「データを作るソフト」
だったのです。
しかし、PCがネットワークにつながるようになると、「デー
タを見るソフト」が登場してきます。具体的には、ヴァル研究所
の「駅すぱあと」によって代表される「鉄道経路検索ソフト」や
各種の地図ソフト、「ぐるなび」によって代表されるお店探しソ
フトなどがそれに当たります。
しかし、鉄道経路検索ソフトにせよ、地図ソフトにせよ、お店
探しソフトにせよ、PCのソフトとして使う場合、出かけるとき
印刷して、その紙を持ってでかけるという使い方をせざるを得な
かったのです。
携帯電話がインターネットにスムーズにつながるようになると
それらのソフトは外で、現場で、見ることができるようになりま
す。この方がはるかに便利です。
最近では、仕事の打ち合せの場所や宴会の場所などを伝えるさ
い、メールで地図サービスのアドレスを送ることが一般化してい
ます。画像データを送るのであれば大変ですが、URLをメール
に貼り付けるだけでよいので便利です。
このように「データを見るソフト」が普及してくると、そうい
うソフトの提供者は大きくビジネスモデルを変更せざるを得なく
なります。 ——[クラウド・コンピューティング/35]
≪画像および関連情報≫
●「ブラックベリー」とは何か
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ブラックベリーは、カナダのリサーチ・イン・モーションが
1997年に開発したスマートフォン。欧米のビジネスマン
を中心に広く使われており、世界で130カ国以上3200
万人以上が利用している。販売台数は5000万台を超えて
いる。日本でも外資系企業を中心に使われ、1200社以上
が国内で導入している。主に、法人向けサービスのブラック
・ベリー・エンタープライズ・サービス(BES)と個人・
中小企業向けサービスのブラック・ベリー・インターネット
サービス(BIS)の2種類がある。 ——ウィキペディア
———————————————————————————ブラックベリー
2009年12月3日木曜日
Electronic Journal: ●「携帯電話には2種類がある」(EJ第2707号)
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