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フランス・パリにあるソシエテ・ジェネラルのツインタワー◆11月26日 ドルを無から作って支払いに充ててきたアメリカだが、そのドルは本日86円台に突入した。代わって金は上昇を続け、1オンス1200ドル目前にまで急上昇して来た。 マティアス・チャン氏は、来年の第1、第2四半期までにアメリカ経済が崩壊することを予見し、その最悪の結果は、米・英・イスラエル枢軸と残りの全世界との対決となる、と言っている。その場合、日本は一体どちらにくっつくのか、と言われれば、日米安保がある限り、米英イスラエル側に付くしかないのであろう。 もちろん我々は、そのような最悪の事態を避けるべく、最善の努力をしなければならないが、いかんせん、事態は進みすぎている。少なくともアメリカ経済の大混乱は避け得ないし、このブログでも、アメリカの内乱の可能性については、言及してきた。
これが来年から徐々に地平線上にその姿をあらわしてくることであろう。その余波は、計り知れない。個人として考えられる準備を進めるしかないであろう。 もしそこで、アメリカの連邦準備制度に大鉈が振るわれ、その大改革とオバマ大統領のリーダーシップが発揮されれば、あるいは事態の改善を劇的に進める事ができるかもしれない。
しかしオバマ大統領は国際金融勢力から締め上げられ、自由な采配を振るえる環境にない。何らかの内部のクーデター的変動があれば、別であるが・・・
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●警告:金融津波の第2波 (3・最終回)
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【11月22日 by Matthias Chang】◆ゲームの終わり
現在のフォールアウトは単純な言葉で要約できる:
諸国の市民らが汗と涙の激しい労働で生産した商品を、破綻している国(アメリカ)は何も無いところから金を作り出し、その商品を購買することを許しておくべきなのか?
踏んだり蹴ったりなのは、同じこのドルでは今や、以前に比べてずっとわずかしか買うことができない。ならばその価値をどんどん失っている通貨で支払われる効用は何なのか? その反面、アメリカは世界に向かって、特に中国人に、もし現在の状況に満足できねば、他の国に販売し、その国の通貨を受け取ることに何の問題もない、と言っている。しかし、もし彼らが堂々たるアメリカに売りたいならば、米ドルと、何も無いところからそのドルを作る権利を認めねばならない。 これは究極のポーカーゲームであり、最初に瞬きする人が失い、回復不能の金融的な損失を蒙るだろう。しかし、誰がいい目を見るのだろうか? アメリカではないし、中国でもない。
この状況は長くは続かない。アメリカにしろ中国にしろ、戦略的な利益を得ようとテーブルにどのカードを投げようかと考えても、短期の利益はピュリス王の勝利(犠牲が多く割に合わない勝利)であろう。というのも、それは潜在する敵対的矛盾の解決をもたらすものではないからだ。 システムの存続が信用貸しの可能性(更なる負債を重ねること)に依存する時、、借り方と貸し方の両者が避けることのできない事態、つまり負債は決して返済されない、という結末を迎えるのは時間の問題となる。そして貸し方が負債を帳消しにする意思が無ければ、未払いの負債を取り立てる徹底した手段を行使するようになることは避けられない。 アメリカが静かに抵当物件を処分させると考えるのは、ナイーブ過ぎるだろう。我々がその段階に至れば、戦争は避けられないだろう。これは米・英・イスラエル枢軸対全世界の構図となるだろう。
◆大詰めのプレリュード
アメリカ経済はこれからの数ヶ月でコントロール不能に陥っていく。そして2010年の最初の四半期の終わりに危機的状況に陥り、第2四半期の終わりには崩壊することだろう。 巨大な数兆ドルの刺激策資金は経済を回復させることに失敗する。大量の輸血は患者を生きながらえさすかもしれないが、複数の臓器に疾患があるという兆候が幾つもある。 12月の終わりから2010年の初め頃には、住宅用、およびもっと重要な商業用不動産の差し押さえの波がやってくるだろう。
そして2009年に差し押さえられた不動産は、市場に出れば不動産価格を押し下げる。住宅および商業用不動産の価格が落ち込む。銀行のバランスシートはひどい内容になり、2009年の後半の2四半期の「記録的な利益」は、追加の赤字を埋めることにはならないだろう。 上記の状況を前提として、連邦準備銀行は、市場を活性化するために担保抵当権付き有価証券(MBS)を買い続けるだろうか? 連邦準備銀行は、すでに数兆ドルをファニーメイと不レディマックの住宅ローンを買い取るのに使っている。他にこれを買い取るバイヤーはいない。従って、連邦準備銀行のバランスシートは自身で救済した「大きすぎて破綻させられない」銀行と同じようにひどい内容となっている。 こんな状況では、誰であっても、最悪の状態は去ったとか、世界経済は回復の途上にあると断言することはナンセンスだ。 そして大銀行がうまくいっているわけではないという確かな兆候は、ニューヨーク連銀のウィリアム・ダドレイ会長のプリンストン大学での最近のスピーチだ。彼は連邦準備銀行は、十分な担保で支払い能力のある会社を補強することで将来の流動性危機を抑制するだろうと語ったのだ。 ダドレイは実際は、「中央銀行は最後の貸し手であるよう決意することはできる・・・そしてそれは、他の貸し手が何を考えているかということについて貸し手の間にある不確実性のために起きるパニックのリスクを減らすだろう」と言った。 彼の言っていることを率直に言えば、連邦準備銀行はベアースタンズ、リーマン・ブラザース、AIGの崩壊が繰り返されるのを避ける努力をするということだ。またこれは、残存している大銀行は問題を抱えているということを示唆している。 11月初旬のブルームバーグのレポートが、シティ・グループとJPモルガン・チェースが、現金を溜め込んでいることを暴露していることを指摘するのは興味深いことだ。
シティ・グループは殆ど2倍となる、2442億ドルの現金を持っている。JPモルガン・チェースの場合は、現金総額は4536億ドルになる。一流銀行によるこの現金の貯蔵を考えると、連邦準備銀行は、金融業界に対し、巨額流動資金を金融システムに注入する用意があることを再保証しなければならなかったのだ。 ドルの価値が下落することに驚いていてはならない。通貨の質が低下すれば、株式市場のボラティリティが大きくなる。しかし利益はリスクに見合うものではない。そして誰かまだ市場に参入しているならば、2010年の第1四半期で一掃されてしまうだろう。
S&Pは、今年はじめから25%急上昇したかもしれないが、金の方が更に上昇している。利益は公式のアメリカのインフレ率に遅れている。
メレディス・ホイットニが「今なにが市場で起きているのか分からない。わけが分からない」と言ったのは、市場からは速やかに撤退する時だ、ということだ。 顧客向けのレポートで、ソシエテ・ジェネラルは、次の2年間の国庫借入金は膨大になると警告した。それはイギリスでGDPの105%、アメリカとアメリカでは125%、日本では270%で、世界的には45兆ドルに上る。 やがてある時点で、これらの一切の負債は支払われねばならない。どのようにしてこれらの負債が支払われるであろうか? バーナンキが語り、行っていたことを基準とすれば、更にトイレット・ペーパー通貨が作られて負債の支払いに充てられる、ということになる。 その結果、通貨の劣化は継続し、これは現在の競争している経済の緊張を更に高めることになる。そして 貸し方がこのトイレット・ペーパー詐欺に我慢ならなくなれば、激しい反応を起こすだろう。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~-->
ゴールドマンサックスビル◆11月25日 連邦準備制度やその他の国々の中央銀行が、民間銀行と結託して、「大きすぎて破綻させられない」という口実の元、ドル紙幣を大量印刷し、ないしは最後はバーチャルなコンピューター上の帳簿の記入という入金作用をとおして、破綻している大銀行に資金注入し、それらの大銀行がゾンビのごとく生き返って、今も巷を徘徊している。ここで主要な働きをしたのがゴールドマンサックスとチャン氏は見ている。 軍事力を背景としたドルの支配力があったからアメリカのこのような行動が可能であった。しかし、今やこの状況が最後の段階を迎えるにいたったようだ。
この問題の解決には、問題の元凶である、連邦準備制度の解体ないしは大掛かりな再編成が必要であろう。
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●警告:金融津波の第2波(2)
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【11月22日 by Matthias Chang】◆新しいゲーム
ゴールドマンサックスの金融アーキテクトは、マスタープランを持っていた。世界的金融システムを支配するというものだ。この金融権力を達成する手段は、隠れた銀行システムというもので、その要点は、デリバティブ市場、資産の証券化だ。投資金額は巨大だ、数百兆ドルで、市場を変える方法は、金融ゲームのあらゆるレベルでレバレッジを利かせることを通して行う。 しかしこの全体のスキームには根本的な欠陥があった。インフレへの脅威、もっと詳しく言えばハイパーインフレーションへの脅威である。システム内のこのような巨大な流動資金は必ず準備通貨の価値の低下を引き起こすし、システムに対する信頼を損ねるものだ。そこでシステムとして物価インフレを抑える必要があり、トイレット・ペーパー準備通貨の購買力に対する幻想を維持しなければならないのだ。 それで中国が登場する。中国が世界の工場となり、問題は解決された。前は600ドルしたスーツが、100ドル以下になったし、靴は5ドル以下になった。信用詐欺の黒幕らは、歴史上最大のカジノに対し、予見される脅威はない、と結論を下した。 中国なしではこのシステムは維持できないのだが、中国は10億以上の人々を食わせていくために、また何億もの職を人々に与えねばならないので、この交換条件を呑んだ。しかし中国は元を基礎とする国内経済と米ドルを基礎とする輸出経済の2つの「経済システム」を持つほど実用主義的で、そうすることで、輸出経済における利益とメリットが中国を変えて国内経済を活力に満ち成長する軌道に乗せ、輸出依存の経済に取って代わるだろうと期待した。
これは悪魔と行った取引だが、この重要な時期に、ソ連の崩壊の後だけに他の選択肢が無かったのだ。
◆ゲームの次の段階
ゲームは、世界的な銀行でコンピューター上でマウスをクリックする単純な操作を通して、トイレットペーパー準備通貨が文字通りバーチャルなものになった時に次の段階に入った。 ゴールドマンサックスのビッグボーイらとその他の世界的な銀行は、喜んでラスベガスと惨めなほどの数十億ドルの上がりをマフィアに明け渡した。バーチャル・カジノからの数百兆ドルの上がりに比べれば、この利益はダイム(10セント)くらいに感じられた。これは彼らのたわいのない夢を更に超えた金融的征服だった。彼らは自らを、「宇宙の支配者」と呼んでいる。巨大な負債を作り出すというのが、新しいゲームなのだ。そしてビッグボーイらは元金の40倍のレバレッジを掛けることができた。資産価値は巨大な流動性と共に急上昇し、良質の資産を駆逐した。 しかしながら、金融の魔術師らは、ゲームを続けるために必要だった金融商品を評価することに失敗し、更に/あるいは、それを過小評価した。彼らは資産の証券化という金融工学に訴えた。そして実物資産が証券化に不足しだすと、合成資産が生み出された。まもなく、投資家と言われる者たちである原資産保有者に償還無しでも、貪欲な者たちが売り出す限りは、有害廃棄物のような債券類さえもがゲームの上では正当な債券類とされた。 しばらくは、金融魔術師が、カジノ・モンスターに餌を与える問題を解決したように見えた。不幸なことに、音楽は停止し、バブルははじけた。そして彼らが言うように、その後のことはご存知でしょう。
◆ゴールドマンサックスの損害回復方法
損失が数兆ドルとなり、残った資産や資金が数十億ドルとなった時、我々は巨大な問題、金融のブラックホールに直面することになった。ゴールドマンサックスの金融操作黒幕による完璧な損害回復方法は、新たないかさまをでっち上げることだった。それは、世界的な銀行が破綻してシステマティックな崩壊の引き金を引くと、ハルマゲドンになってしまう。この「大きくて破綻させられない」銀行は、資本構成を改善し、貸借対照表上の彼らの有毒債券類から彼らを解放させるためにバーチャルな資金の大量投入が必要である、とした。
先進国の主要な中央銀行は、ゴールドマンサックスとぐるになって同じ調子で歌ったのだ。この救済を正当化するため、あらゆる種類の陰謀が繰り出された。
突き詰めれば、何がなされたかと言えば、左のポケットから右のポケットへお金を移しただけだ。ただ、銀行は政府が金融危機を乗り越えられるように支援した、というように捻じ曲げられた。
連邦準備制度と主要な中央銀行は、「大きすぎて破綻させられない」世界的な銀行にゼロないしはほぼゼロ金利で「バーチャルな資金」を貸すことに同意した。またこれらの銀行は、お返しに、これらの資金を合意された金利で連邦準備銀行や中央銀行に「預金する」ことになった。
これらの処理は帳簿に記入するだけだ。連邦準備銀行と中央銀行からのその他のローン(ゼロないしはほぼゼロ金利)は、国債購入に充てられた。これらの国債発行による資金は実物経済の復興と失業者のための仕事を作るために必要とされる刺激策のための費用である。だから、本質的には、これらの銀行は、政府に貸し付けるための、合意されたまったくリスクのない金利の「自由貨幣」を与えられたのだ。これがいかさまだ、ということだ。 これらの「資金」は、ドル紙幣でさえない。何も無いところから、単なる帳簿に記入された資金である。
だから、連邦準備銀行が数兆ドルを銀行システムに注入した時、連邦準備銀行にある「大きすぎて破綻させられない」銀行の口座に、その額が貸し出されたということなのだ。 このシステムが国際的貿易に適用されると、中国や日本からの商品の支払いのため同様の操作方法が使われた。 その他の国々では、商品の購入はドルで行われていたので、必要な商品を購入するためには、商品やサービスを生み出して、それを売却しドルを受け取る必要があった。
簡単に言えば、彼らは商品であれ、サービスであれ、それを購入するためには収入を得る必要がある。その反対に、アメリカが必要なことと言えば、何も無いところから金を作り出し、それを使って輸入品の支払いをする、ということだけだ。 アメリカが、このペテンでやってこれたのは、このペテンを押し付けて強制する軍事力があるからだ。
前記にあるように、この状況は冷戦時には特に受け入れられた。ソ連崩壊後は多少の不本意な思いで、しかしアメリカは最後の消費者となる、という条件付で、受け入れられた。
この取り決めは、いくらかの安堵感を与えた。それは、アメリカに商品を売った諸国は、その他の国からドルで商品を購入することができるからだ。世界の貿易においては80%以上、特に世界の経済の生命線と言える原油の取引が、
ドルで決済されている。 しかし、アメリカが完全に破綻している今、アメリカ人(世界最大の消費者)が中国、日本その他の国々のさまざまな商品を買うためのお金を、もう借りられなくなっているので、ドルに対する需要は弱くなってしまった。準備通貨としてのドルの地位とその有用性は今や疑問視されだしたのだ。 ( 続く) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金融津波の第2波がやってくる◆11月24日 11月6日に紹介した「通貨システムにおけるゴールドの役割」を書いたマティアス・チャン氏の最近の論文がある。前の論文の続きのような内容なので紹介したいが、長文なので、2回か3回に分けて紹介する。 前回の論文でも指摘していたことで、金融の津波の第2波が来年の第2四半期までにやってくる、と言っている。このブログでも遅くとも2010年中にはそれはやってくると見ている。 なぜか、ということをこのチャン氏の論文で見てみる。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●警告:金融津波の第2波(1)
津波は勢いを増して2010年の第1および第2四半期の間に襲来か
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=16218
【11月22日 by Matthias Chang】 私の友人が、最近私が世界経済について語らないと嘆いていた。それは分かるのだが私は投資家を市場に引き戻すために、金をもらって記事を書く株式市場のアナリストではない。私のWEBサイトは無料で見れるし、金融ニュースレターを売っているわけではない。だから予想分析情報を大量生産する必要はないのだ。
しかしながら、データがある抗し難いトレンドを示しているならば、新しいレ展望を書く時だ。このレッド・アラート(警戒警報)は私のサイトを訪問する人々が数ヵ月後に迫っている事態に対処し、自らを防衛するために適切な行動を取れるようにするだろう。 2008年の最後の四半期以来、容赦のない通貨戦争が世界的経済組織で行われてきた。この競争は今までは敵対的なものではなかった。しかしそれはやがて敵対的なものになるだろう。それは先天的な違いは和解できないからだ。世界経済に対するその結果は、破壊的であろう。また普通の人々にとっては、大規模な失業と社会不安が避け得ないものになると考えられる。 国際的金融アーキテクチャーの全面的な崩壊に直面している国々の政治家らは、「大きすぎて破綻させられない」銀行を救済するためと、自国の不景気の再活性化のための唯一の解決策は、量的緩和策(大規模な流動資金の放出)と結論を出した。これはバーナンキFRB議長の「アメリカ政府はある技術を持っている。印刷機を動員するというやつだ(現在では電子的なものがあるが)。これで基本的にはノーコストで望むまま米ドルをいくらでも生み出せる」という率直な意見に表れている。 これが問題の最重要点だ。 ●和解できない相違点
20年ほど前、国際的金融エリートたちは世界経済の枠組みを以下のようにすることを決定している。1.アメリカの連邦準備制度と、それに関係する先進国の世界的銀行がコントロールするデリバティブを基礎にした国際金融システム2、発達した経済を養うため.西側から東側に、主として中国とインドに商品生産拠点を移す3.全体のシステムは単純な原理、世界経済のエンジンである連邦準備制度がコントロールする世界準備通貨、という制度の上に構築された。これは本質的には帝国主義的経済原理である ひとたび我々が、この基本的な事実を把握すれば、バーナンキの自慢した「アメリカはいくらでも望むままに米ドルを作り出すことができる」という言葉は違った次元のことになる。 私は多くのエコノミストと話してきたが、何が今の金融問題の重要な点かということを聞かれて彼らは、「世界的なインバランス、西側が消費をし過ぎる反面、東側は貯蓄をし過ぎて消費をあまりしない」と異口同音に言う。これは中国の大きな供給に対するアメリカの巨大な貿易赤字に現れている。
殆どすべての人がすばらしい知恵とこのお題目に共鳴している。最近のAPECの首脳会談でも同じことを言っている。自由貿易への呼びかけと同じように、このお題目は繰り返されている。 これは大いなるいかさまである。世界の舞台に出ている現在の指導者らは、芯まで腐っていて、物事をありのままに言うことをせず、今の金融システムに存在する根本的な矛盾を明らかにすることをしたがらない。 全体的な金融システムがアメリカ・ドルの準備通貨の一極に依存しているので、多極世界を願う声は意味が無い。これが現在のシステムに内在している矛盾であり、これに関連する問題は、いくつかの国が支持しているIMFの特別引き出し権を基礎とする新しい世界準備通貨によっては解決できない。これは考えられた時に死産となっている。 中国、日本、それに中東の産油国は現在の状況を呪いののしっている。しかし彼らは、ゴールドマン・サックスの指導に従って動く連邦準備制度からの金融情報操作屋らによってコケにされてきたと、自国民にはっきり説明する信念を持つ勇気を持っていない。 どの指導者が自国の富をトイレットペーパー(米ドル)と交換したことをあえて認めた者なのか、いれば言ってみてほしい。トイレットペーパーのパントマイムは続いている。 我々は現在、通貨戦争の最終局面に到達している。これはNATOとワルシャワ条約軍との間の冷戦のようなものではない。核戦争のMAD(相互確証破壊)ドクトリンで両者は抑止されていた。両者のコストは法外なもので、ソ連がこのコストを維持し続けられなくなり破綻状況に陥った時、NATO側にバランスが傾いたのだ。 しかしこれは、欧米のピュリス王の勝利(犠牲が多く割に合わない勝利)だ。アメリカの軍事力を維持する能力をアメリカに持たせ、ソ連を破産させたのは、トイレットペーパー通貨を印刷する権利と、同盟国が世界準備通貨として米ドルを受け入れたことにある。 しかし、冷戦時にアメリカと同盟した国は なぜ以前の状態を受け入れたのか? それは単純なことだ。ビッグ・ブラザーとその軍事力に保護されねば共産主義の脅威に飲み込まれてしまうと思い込まされたのだ。彼らはアメリカの吹く笛に合わせて行進することに同意したのだ。 次の大きな疑問は、「解放」されたソ連圏の元共産国がなぜこのバンドワゴンに飛び乗ったのか、ということだ。 これも単純なことだ。彼らはゴールドマンサックスに率いられる世界的な銀行により作られた幻想を抱いて、彼らの製品とサービスをアメリカの連邦準備銀行のトイレットペーパーと交換すれば大いなる富と繁栄を獲得できると思い込まされたのだ。 しかしこの地域の最大のゲームはアジアの、日本だ。不動産バブルの破裂した後の10年のリセッションの後、日本は、ゴールドマンサックスの金融アーキテクトが予見したように、このゲームを次のレベルに引き上げる手段を持っていない。 そして中国は最大の受益者であった。ゴールドマンサックスの上級経営者が中国の指導部と秘密の契約を結び、大量のドルを投入し生産力の大規模移転を行う代わりに、中国はやっと手に入れた米ドル・トイレットペーパー準備通貨を米国債とその他のアメリカの債権類を購入するということにしたのだ。
世界の金融カジノを次のレベルに引き上げるため、先例を作るために必要な条件だった。 なぜか? (続く)
2009年11月27日金曜日
ROCKWAY EXPRESS
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