・無職旗本の家に生まれ、一切子分を持たず、党を作らず、政治的遊泳をしないのに軍艦奉行や陸軍総裁や参議や枢密顧問官になる。
・金玉を犬に食われて死にかけるが、生き返る。
・修行時代、昼の稽古が終わると夕方から夜明けまで稽古し、帰ってから朝稽古をしていた。
・天井を薪にするほど窮乏していたが、慣習通り賄賂を持ってきた鍛冶工に「その分圧銅の量を増やしていい大砲作りな!」と叱り飛ばす。
・蘭学勉強の為に損料年10両で借りた蘭和辞典全58巻を筆写した。それだけだと貧乏で損料や紙・インク代が払えないから、さらにもう一部筆写して売った。
・どうしても読みたい兵学書が先に買われてしまい、頼み込んだが譲ってはもらえなかった。仕方なく「あなたが寝ている間は読まないでしょうから、その間だけ貸してください」と食い下がり、持ち出し禁止を条件に許可を得たので半年通って、やはり筆写した。持ち主は感服して本を差し上げると言われるが、既に写し終えてるから断るも、「あなたが持つのが相応しいから是非に」と言われて貰った。
・妻に「ちょっと品川まで船を見てくる」と言って、そのまま渡米した。
・帰国後、老中からアメリカで目に付いた事を聞かれ、「特に日本と変わりません」と答えたが、再三再四尋ねられるので、「我が国と違い、アメリカで高い地位にある者はみなその地位相応に賢うございます」と答えて叱られる。
・刺客として殺すつもりでやってきた坂本龍馬が、その場で弟子入りする。
・岡田以蔵に護衛されて命が助かったのに、「人を殺してはいけないよ」と説教するが、「私が斬らなければ先生の首が飛んでいました」と返され、さすがに何も言えなくなる。
・ちなみに直心影流剣術免許皆伝の腕前だが、度々刺客に命を狙われながら刀は紙縒りで結んで抜けないようにしていた。
・幕府も藩もない当時稀有の視点から「一大共有の海局」を掲げ、「日本国の海軍」建設を目指して神戸海軍操練所を設立するが、門戸が広すぎて討幕派志士などもフツーにいたため、幕府から睨まれ罷免される。
・罷免後、切腹なり終身預けなり重く罰せられる予定だったが、幕府多難の為いきなり軍艦奉行に復帰し、第二次長州征伐の停戦交渉を成功させるが主君から裏切られ、辞職を願い出る。
・官軍の江戸城攻撃中止の談判に当たり、決裂時には江戸もろとも敵軍を焼き払う焦土戦術を準備。交渉の具ではなく、己の決意としての準備だった。結果、将軍慶喜と住民150万人は戦火から救われた。
・明治維新後、新政府に仕えている事を「二君に仕える不忠者」として福沢諭吉に攻撃されるが、「行いは自分のすることだが、批判は他人のする事なので知りません」とあっさり受け流す。
・維新後30年かけ、将軍慶喜と朝廷とを和解させ、「これで俺の仕事は終わった」。
・程なく他界、最後の言葉は「コレデオシマイ」。
しかし,面白い人である。
0 件のコメント:
コメントを投稿