2010年2月8日月曜日

コマネタんぶら帳

うちの娘の話を先にしましょう。娘が就職活動するべきだった年の夏休み、彼女は就活もしなければ勉強もしていませんでした。カミさんが「ホントは何がしたいの?」と訊いたら、数表沈黙し、魂の叫びのようにぽつりと「遊びたいんだよねぇ」の真剣さに打たれて、何も言えなかったらしいです。ぼくだって手の打ちようがありません。

 でも考えてみれば、その魂の叫びは、自分もずっと言いたかったことでした。昔も今日も、そう思っています。とうとうそれを口に出した人がいたんだなぁ、というわけで、ぼくの心は半分真っ黒、半分朝焼けみたいになっちゃった。もしみんながそう思ってるんだったら、そういう仕事に切り替えばいいんですよね。「マージャンで稼いでこい」と上司に言われても誰もやりませんが、好きでやる徹マンと同じように仕事ができれば「遊びたいんだよねぇ」の気持ちと両立する。嫌な労働をしない、ということを一生懸命やれば、遊びでお金を稼ぐことができるのです。

 吉本さんは、娘がそう言うよりもっと前に、同じことをおっしゃっていました。遊び以外のことは吉本さんも「苦痛でしょうがねぇ」なんです。文句ばっかり言って、怠け者。でも吉本さんの仕事は言うまでもなく怠け者のやることではありません。依頼されなくたって『初期ノート』の頃の猛勉強ぶりがあったわけです。生意気で博識で刃物のようだった若い時代は、吉本さんの、いわば徹マンです。働きたいということは、力いっぱい遊びたいってこととイコールなんだよ、と最終的には思いたいですね。

 吉本さんはいろんな書き方をしていますが、つきつめれば、「怖がるな」「お前が怖がってるものはたいしたことはないぞ」言ってるのだと思います。ただ怖がって文句言ってるやつは、結局は何もできないです。「遊べばいい」というキーワードと、「毎日、10年続ければ、一人前になれるよ」というメッセージを表裏金メダルみたいにくっつけて、ポッケに入れておくといいと思います。

思わずうなってしまいます。勿論、良い意味で。

Posted via web from realtime24's posterous

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