日本航空の浪漫飛行
多額の債務と年金問題を抱える日本航空は、海外からの資金援助を求めている。幾ら貰えるかは分からないが、問題解決に至るには何れにしても到底足りない金額である。
勿論、相手がアメリカン航空だろうがデルタ航空だろうが、もらえるお金は幾らかの足しにはなる。でもこの航空会社は一年以内に返済する必要がある負債だけで20億ドル(1800億円)あるのだ。海外から数百万ドル(数百億円)プレゼントされたどころで焼け石に水である。
野村證券によれば、その翌年度には更に24億ドル(2160億円)の負債も返済期限を迎える。
というのに、日本航空は二年連続の赤字を迎える状況にある。これは海外の航空会社による戦略的提携、コードシェアリングによるコスト削減程度の話では解決しないレベルの話である。
また、どんな戦略的提携をしたところで、36億ドル(3240億円)にも上る年金債務の問題は解決しない。更に日本航空は、運賃の設定や路線開設に過剰に関与してくる日本の航空行政とも戦わなければいけないという問題も抱えている。規制により資本参加を1/3以下に抑えられて経営権を掌握できない海外資本も、日本航空の経営に革新をもたらすことはできない。
しかし、海外勢にとっては提携は良い話である。現金の拠出と見返りに太平洋路線を手にすることができ、これは将来の日米航空自由化交渉の行方次第では大きく結実するかもしれない。でも、日本航空にとっては抵抗負荷ばかり多く、揚力が足りない話である。
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日本航空は子供の頃からお世話になっているので、個人的にはどういう形でか存続してもらいたいと思っているし、のれんには価値があると思う(今でも海外に行くならJAL!と思っている人も結構いるのではないだろうか)
でも、提携の話が報道されてから日本航空の株価は上がっているのはとても不思議。提携話を好感しているのかもしれないが、個人的にはこういう政治銘柄は怖くてとても手が出せない。
2009年9月16日水曜日
浪漫飛行~9月15日(火)~|The New York Blog
via ameblo.jp
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