権力はお金から離れ,文化は権力から離れようとした.それが日本文化だった.
貴族に変わって武士が権力を握るようになると,武士はお金から遠ざかったが,それは「お金が権力を腐敗させる」という原理原則があるからである.
これに対してヨーロッパや中国では「権力とはお金に恵まれることである」というのが普通の考え方であった.時によっては権力はお金を多く貰うためのものであり,それこそがこの世の栄達だった.
日本の支配階級がお金を遠ざけた結果,二つのことが起こった.
1) 「お上」は信頼できるものであったので,今でも日本人が「お上」を信用するところが見られる.これはとても素晴らしいことだが,ヨーロッパ文化に影響された現在のお役人や政治家のもとで,やがてこの日本文化が崩れると予想される.(私は抵抗するが)
2) 江戸末期に日本を訪れたヨーロッパ人はそろって日本の民衆が幸福だったと証言している。ヨーロッパでは貴族が豊かな生活をするために政治をおこなったが,日本では「民の幸福」のために政治が行われたからである
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