2011年5月16日月曜日

「ホウ素が注入されたが、逃げなくてもよい」 | 放射能汚染から子供を守ろう[Save Child]

武田邦彦教授(元内閣原子力委員 中部大学教授)が今回のホウ素注入について「ホウ素が注入されたが、逃げなくてもよい」と発言されました。正直、ホッとしました。

以下転載

<福島原発1号機>

福島原発1号機の「メルトダウン」の報道は、「これまでのこと、これからのこと」を考えるのに、鋭い断面をえぐり出しました。

この1号機のことを解説する前に、多くの方が心配している3号機のことに触れたいと思います。

3号機にホウ素を入れたので、「核爆発」の可能性があるということです。

(注1) 「ホウ素」という元素が中性子を吸収する.「ホウ酸」というのはホウ素が酸の形になっているということ。化合物としてはいろいろある。

(注2) 「核 爆発」のことを「臨界を越えた」ということもある。「臨界」とは中性子の収支のことを言っていて、「燃え方」のことを意味しているのではない。表面的なこ とだけを理解している「専門家」の中には「臨界」という中性子の収支のことと、「爆発」という核分裂状態のことを混同している人もいる。あまり大した差異 ではない。

ですから、原子炉が破壊されていない状態でホウ素を投入するというのはかなり危険な状態を指しているが、今や3号機はかなり損傷しているので、今回、投入されたホウ素は「ごく小さい核爆発も止めたい」ということであり、問題はありません。

「ホウ素が注入されたが、逃げなくてもよい」

ということです。

安心してください。

福島原発は、これまで「60京ベクレル」というものすごい量の放射性物質を出していて、今はその1万分の1です。

仮に、福島原発で小さな核爆発が起きても、これまでに余りに多い放射性物質が出たので、それに比べるとたいした事はない(身近な放射線量が急に増えることはない)ということです。

奇妙なことですが、最初の一撃が大きかったので、すべて非常識に進んでいます.

・・・・・・・・・

ところで福島原発1号機が「メルトダウン」していたということで、今朝(2011年5月16日)の新聞、テレビは大騒ぎになっています.

でも、私は次のようなコメントを昨夜、あるテレビ局でしました(時間は後に調べて追記)。

1) 報道が「東電の発表」を信じるのは奇妙だ。

2) 1号機の燃料が破壊されているのは、3月下旬に判っている。

3) 日本の報道が、このことを報道しなかったのは「事実」より「正式な発表」を重視するという習慣のためだ。

4) 専門家は、水の循環ができなくなると、発熱量、水の蒸発熱、熱容量、燃料の融点や力学的性質などから、破壊までの時間を計算できる。

5) 従って、東電は3月11日午後4時36分に注水が出来なくなった時点で、午後7時30分には燃料が露出すること、午後9時には燃料が融点に達することの計算を終わっていた。

6) 外からデータを得ている一般の専門家(私など)は、「注水は部分的にしか出来ないから、数日中には燃料は破壊される」ということだけは判る。

7) 12日午後3時36分、水素爆発を起こしているが、1)から6)までのことが起こっているのが判れば、水素の発生量が判り、圧力から格納容器、建屋の水素量の変化が計算できるので、火源があれば、12日の午後には水素爆発が起こることを計算していたと考えられる.

8) 水素爆発で大量の放射性物質が漏洩するかどうかは、原子炉の破壊状態によるが、かなり危険だったことは東電は判っていた。

このコメントは時間枠もあって、あまり放送されないと思います。

また、今日(2011年5月16日)の朝、ある放送で次のコメントをしました。

1) 菅首相が斑目原子力安全委員長と福島原発を視察した時にはすでに1号機は破壊に向かっていた。

2) 菅首相は東京に帰った後「原子炉は大丈夫だ」と言っている。

3) このことは、菅首相がウソを言ったか、斑目委員長が間違ったか、それとも福島原発の吉田所長が事実を伝えなかったかである。

4) いずれにしても誰かが原子力基本法の公開の原則を破っている。

5) 1号機の燃料が破壊されていることが判った(メディアが昨日、判った)ことによって、工程表は変わらない.その理由は東電は工程表を作成するときに、すでに1号機の燃料が破壊されていることを知っていたから。

6) もし東電が1号機のことで工程表を替えたなら、東電は2重のウソをつくことになる.

これも時間枠の制限で、詳しくは放送されませんでした。

私は昨夜からなんとなく違和感を感じていて、この違和感が何によるのか考えていました。

今朝、それが判ったような気がします.

1) 日本のメディアは「事実」より、「公式発表」を重んじる.

2) すでに3月末には原子力学会始め、多くの専門家が「1号機の燃料は破壊されて原子炉の下に落ちているだろう」と言っていたが、「民間の専門家の言うことだから」ということで報道しなかった(のではないか)。

3) そして、東電が発表すると(事実としては取材の結果、知っていたのに)「メルトダウンしていた!」とビックリして見せた。

4) このような「お上主義」、「形式主義」が、日本人や日本文化に特有なことか、または最近の日本人の傾向かは今後、考えて行きたい。

5) 東電は「国民に危険なことを知らせてくれない企業だ」ということがわかった。

 

これから一つずつ、解きほぐして行きたい.

(平成23年5月16日 午後1時 執筆)

Posted via email from realtime24's posterous

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