サーチエンジンで「夏目漱石・新陳代謝」としたものがあったので覗いてみたら、「沢山」まで、漱石の造語だとしていたらしいことがわかった。「沢山」と書いて「たくさん」と読むのは室町時代からある*2。「流石:さすが」も同様。
「経済」。「経国済民・経世済民」の意味でなく、金銭面の意味でも、江戸時代からある。
「価値」。『日本国語大辞典』初版では漱石の例が古く、誰かがこれを元に、「漱石が作った」と考えたのかも知れないが、「かちょく」を見よともなっていて、こちらを見ると、古くから有ることが分かる。さらに、第二版を見ると「かち」に1878年の用例がある。
「電力」。まさか!! これも『日本国語大辞典』初版の用例を勘違いしたものだろう。第二版では、1877年の「米欧回覧実記」の用例が上がっている3。
『日本国語大辞典』初版の用例の与えた影響は大なるものかな、と、「新陳代謝」も初版で引いてみたら、島村抱月の例もあるが、これはなぜ無視されたのだろう。
福沢諭吉やら、夏目漱石やら、なんでもかんでも、ある個人の功績にしてしまうのは、やめて欲しい。
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