2009年5月29日金曜日

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このようにプロとアマの区境をどこに線引きするかは、客観的にはハッキリさせられないが、簡単な判別法として僕は、どの世界でも「上手くなるほどお金を稼ぐことのできる者」がプロで、逆に「上手になればなるほど出費が嵩む者」をアマと呼んで区別できるのではないかと思っている。つまりプロの世界には、職業生活上の厳しさがあり、アマには逆に、名誉の問題はともかく、お金の問題には関係のない気楽さとか、研究の期限や〆切りに気を遣う必要がなく、楽しみでその途をやっているのだという伸びやかさがある。ただ、旦那芸のように凝り出すと、アマチュアは出費が累積的に嵩む。
 プロの人たちの特色のひとつは、その表芸を人前で無報酬に披露したりすることが決してないことである。つまり、玄人の棋士が演題で素人と座興で将棋を指したり碁を打ったりすることは苟もありえないし、プロの歌手がギャラなしで舞台でマイクを手にすることも絶対にない。

林周二『研究者という職業』東京図書,2004.9.25,P.120

「上手くなるほどお金を稼ぐことのできる者」がプロ

「上手になればなるほど出費が嵩む者」をアマ という区別。

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